導入したい設備がカタログに登録されていない場合、導入ができないので「使えない・使いにくい補助金」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現状、特定の業種や業務に特化したものが多く、製造業の方は、自社に適した設備が無いと感じて省力化投資補助金を活用できていない実情も多いかと思います。
しかし、制度としては非常に利用価値が高く、整備されつつあるので、今後にぜひ期待したいところ。
本記事では製造業にとって省力化投資補助金の制度が使いやすいのかどうか考えてみたいと思います。
結論:今はまだ使いにくい。今後は製造業にも使いやすい補助金に
カタログに登録されている省力化製品は、公募開始当初は数種類のみで、対象となる業界が限定的でしたが、現在は登録製品も徐々に追加されています。2024年10月21日に工作機械(5軸制御マシニングセンタ)がカテゴリとして追加されたことで、今後は製造業(金属加工業者)の方も使いやすい補助金になっていくと考えられます。
現在の省力化投資補助金のカテゴリ種類
製品カテゴリ一例
清掃ロボット、配膳ロボット、自動倉庫、無人搬送車(AGV・AMR)、検品・仕分けシステム、スチームコンベクションオーブン、自動精算機、鋳物用自動バリ取り装置 等
しかし、省力化投資補助金で製造業が「加工・生産」業務で使えそうな製品は限られていて、印刷業向けが多い印象。他に、金属製品製造業が使えるのは、鋳物用自動バリ取り装置くらいでした。
新たなトピックとして、10月21日に工作機械である5軸制御マシニングセンタの登録が行われたことは、製造業界としても朗報で活用したいという企業も多くなったのではないでしょうか。
5軸制御マシニングセンタの登録を機に、今後は他の工作機械や産業ロボット、溶接ロボットなど、金属加工に活かせそうな省力化製品が登録されるのではないか、と期待できます。
製造業向けの製品カテゴリ
製品カテゴリ | 対象業務プロセス |
---|---|
・5軸制御マシニングセンタ(10/21New) | 加工・生産 |
清掃ロボット | 清掃業務 |
配膳ロボット | 搬送業務 |
自動倉庫 | 保管・在庫管理、入出庫 |
・検品・仕分けシステム | 資材調達、加工・生産、検査、保管・在庫管理、入出庫 |
オートラベラー | 加工・生産、梱包・加工、保管・在庫管理 |
丁合機 | 加工・生産、梱包・加工、出荷、販売・納品 |
近赤外線センサ式プラスチック材質選別機 | 分別業務 |
・印刷紙面検査装置 | 検査 |
随時申請が可能に
販売事業者と共に申請が必要
また、共同申請になるため、事業計画書の策定を販売事業者と行い、応募・交付申請の際にも販売事業者の招待を受けてから中小企業者が必要項目を入力して申請する必要があり、連携を取る回数も多くなるでしょう。
そのため、省力化投資補助金の販売事業者として登録している、もしくは登録していなくても登録に協力できる先に依頼する必要があります。必ずしも懇意にしている販売店・代理店から購入が可能になるわけではないので注意しておきましょう。
早期の事業実施が可能な補助金
省力化投資補助金だと、申請と同時に交付申請が行われ、採択すれば交付決定となり、スピーディに事業を実施することができます。
申請書類のボリュームは比較的少なめ
しかし、省力化投資補助金であれば、必要書類の提出と事業計画はA4サイズ1ページ分程度が必要となるくらい。事業計画の内容によって採択・不採択が左右されるため、本来事業計画書の策定にあたって準備段階で長期間縛られ、負担がかかるもの。
省力化投資補助金の場合はそこまでの労力は必要なく、簡便に申請ができるので、中小企業者の負担としては少なく申請が可能と言えます。
今後は置き換えも対象に
省力化投資補助金も単なる置き換えでは認められませんが、同様の設備でも、販売事業者が指定する「置き換えが可能となる機能・性能」の条件を以下の①と②を満たす場合は認められます。
①「置き換えが可能となる機能・性能」を有する製品への置き換えであること
②「置き換えが可能となる機能・性能」を新規で1点以上持った設備
受かるには専門家を交えた準備が必要
販売事業者と共同申請となりますが、販売事業者は補助金に精通しているとは限りません。申請を検討している中小企業者は、補助金の傾向を掴み、対策するために認定支援機関等の専門家と相談しつつ事前準備して対策していきましょう。
まとめ
人手不足に悩み、申請を検討している事業者様は、補助金情報に精通している認定支援機関等の専門家と相談しながら、販売事業者の選定や事業計画の策定をあらかじめ行い、より採択されやすいよう準備を進めましょう。
省力化補助金編集部
シェアビジョン株式会社
認定支援機関(認定経営革新等支援機関※)である、シェアビジョン株式会社において、80%以上の採択率を誇る申請書を作成してきたメンバーによる編集部が監修・執筆しています。
当社は、2017年の会社設立以来、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の補助金申請サポートをはじめとしたコンサルティングサービスを提供してまいりました。『顧客・従業員のビジョンを共有し、その実現をサポートすることで社会の発展と幸福を追求する』を経営理念とし、中小企業の経営者のビジョンに寄り添い、ビジネスの課題を解決するための手助けをしています。支援してきたクライアントは1,300社以上、業界は製造業、建設業、卸売業、小売業、飲食業など多岐に渡ります。このブログでは、中小企業の経営者にとって有益な情報を分かりやすくお届けしてまいります。
※認定経営革新等支援機関とは?
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあると国が認定した経営相談先です。全国各地に3万箇所以上の認定支援機関があり、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関、経営コンサルティング会社等が選出されています。認定支援機関を活用することで、補助金申請だけでなく、財務状況、財務内容、経営状況に関する調査・分析までを支援するため、自社の経営課題の「見える化」に役立ちます。
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