省力化製品販売事業者登録要領が発表!
この記事の最重要ポイント
省力化補助金は事務局に登録された販売する事業者が窓口となります。このことから、事業者の負担は一定減少し、ハードルは低くなるものの、要件は変わらないことから販売事業者に求められる管理能力は一定以上あります。
補助金は、国民が納める税金を原資としているため、交付にあたっては厳しい基準があり、また報告が義務付けられている等、さまざまなルールがあります。そのルールに則って事業を進めていかなければ、中小企業等のお客さまが補助金を受け取った後に、補助金の返還が求められることもあります。本補助金では、販売事業者が「補助事業者」と位置づけられ、それらのリスクまで管理しなければいけません。
補助金返還のリスクを避け、お客さまにスムーズに補助金を活用いただくための手段として、外部協力者の存在が挙げられます。補助金申請では、採択されるか否かばかりに目が行きがちですが、重要なことは、補助金返還等を受けることなく、お客さまにスムーズに補助金を活用いただくことかと思います。販売事業者登録をされる商社・販売店の方は、ぜひ支援実績が豊富なコンサルティング会社等と連携することをご検討ください。
はじめに
本記事では、2024年4月25日に発表された「省力化製品販売事業者登録要領」について、解説します。補助金の活用を検討している中小企業等の事業者の方には、直接は関係のないトピックになるかもしれませんが、機械メーカーや販売商社の方は、どうぞ参考にしてください。
販売事業者に求められること
(https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/application_flow.pdf)
上図の下半分が、販売事業者に求められる役割になります。
販売事業者の役割① 事前準備(事業計画の策定)
販売事業者の役割② 共同での交付申請
販売事業者は、中小企業等に対して、交付申請やその後の補助事業実施等に当たっての注意事項を十分に説明し、公募要領に規定する申請要件を満たすか等についても十分な確認を行う必要があります。その上で、中小企業等の申請手続きのサポートを最大限行った上で共同申請を行うことが求められています。
販売事業者の役割③ 補助事業実施(設備の納入等)
製品を導入して、設置するだけでなく、精算・証憑の確認や導入製品の設置確認、導入効果の確認等、補助金の交付申請や実績報告等の各種手続きのサポート等も省力化製品販売事業者の役割となります。
また、補助事業に係る中小企業等からの問合せ・疑問等について対応を行い、円滑な補助事業推進のサポートを行い、また、適切な製品の導入支援・アフターサポート等を行うことが求められています。
販売事業者の役割⑤ 効果報告期間のサポート
実績報告だけでなく、効果報告の際も省力化の効果や賃上げの実績を報告する必要がありますが、効果報告時点での給与支給総額または事業場内最低賃金が実績報告時点の値を下回っていた場合、補助金の返還が求められる場合があります。また、本事業の成果により収益が得られたと認められる場合には、収益納付をしなければならないこともあります。このような中小企業等の事業者が達成しなければならない目標についても、補助金返還等にならないように管理することは、非常に大変です。
販売事業者の役割⑥ 財産管理期間についての説明
このように、販売事業者には、導入計画の準備から申請、また交付決定後は導入から運用、確認まで「補助事業者」として伴走支援することが求められています。
販売事業者の主な要件
基本的事項 | 日本国内で事業を営む法人であること等 |
経営基盤に関する事項 | 製品の供給・メンテナンスを継続して行える十分な経営基盤を有していること |
供給・販売体制に関する事項 | 登録する省力化製品を提供・販売した実績を有していること等 |
サポート体制に関する事項 | 保守・修理・サポート体制を構築し、運用障害等が発生しないようメンテナンス及び管理を徹底すること等 |
価格設定に関する事項 | 製品本体価格・導入費それぞれについて、上限額以内で登録を行うこと |
事業実施に関する事項 | 中小企業等への十分な支援(導入支援、定着支援、活 |
(https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_dealer_guidelines.pdf)
登録申請手続きについて
登録の際、取り扱う省力化製品の製造事業者から当該製品の販売店としての確認に加えて、中小企業等に対して省力化製品の説明や運用に至るまでの相談、補助金の各種申請サポートが十分に行えるという確認を受ける必要があります。確認を受けられた場合、事務局への登録手続きを行います。
販売事業者登録は、製品を販売・導入する販売商社だけでなく、省力化製品を製造する製造事業者も兼務する形で登録することができます。
販売事業者の登録申請は、事務局が開設する電子申請システムで行います。また、複数の省力化製品を取り扱う場合、販売事業者登録は各製品に対して別々に行う必要があります。
登録開始時期はまだ公表されていませんが、カタログに登録された省力化製品ごとに順次開始されます。現在、清掃ロボット、自動配膳ロボット、無人搬送車、スチームコンベクションオーブン、券売機のカテゴリで、製品カタログが公開されているので、これらの販売事業者から登録が始まると思われます。
登録に当たっては以下のものが必要となるため、準備しておくと登録申請がスムーズでしょう。
<提出書類>
・履歴事項全部証明書写し(発行から3か月以内のもの)
・直近 2 年間の貸借対照表及び損益計算書
・税務署の発行する法人税の直近の納税証明書(その 1 又はその 2)
※1期の決算を迎えた上で提出すること
<申請事項>
・販売事業者の基本情報(法人名、所在地など)
・取り扱う省力化製品
・製品本体の販売価格
・導入費
・省力化製品の販売実績
・販売体制及びサポート体制(サポートを提供する地域の範囲)
まとめ
補助金は、国民が納める税金を原資としているため、交付にあたっては厳しい基準があり、また報告が義務付けられている等、さまざまなルールがあります。そのルールに則って事業を進めていかなければ、補助金返還が求められます。補助金返還のリスクを避けるためには、コンサルティング会社等、外部協力者との連携をお勧めいたします。
シェアビジョンでは、豊富な補助金支援実績を活かし、メーカー・商社・販売店と連携してサポートを行うことができます。中小企業省力化投資補助事業の活用をお考えの方は、どうぞ気軽にお問い合わせください。
省力化補助金編集部
シェアビジョン株式会社
認定支援機関(認定経営革新等支援機関※)である、シェアビジョン株式会社において、80%以上の採択率を誇る申請書を作成してきたメンバーによる編集部が監修・執筆しています。
当社は、2017年の会社設立以来、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の補助金申請サポートをはじめとしたコンサルティングサービスを提供してまいりました。『顧客・従業員のビジョンを共有し、その実現をサポートすることで社会の発展と幸福を追求する』を経営理念とし、中小企業の経営者のビジョンに寄り添い、ビジネスの課題を解決するための手助けをしています。支援してきたクライアントは1,300社以上、業界は製造業、建設業、卸売業、小売業、飲食業など多岐に渡ります。このブログでは、中小企業の経営者にとって有益な情報を分かりやすくお届けしてまいります。
※認定経営革新等支援機関とは?
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあると国が認定した経営相談先です。全国各地に3万箇所以上の認定支援機関があり、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関、経営コンサルティング会社等が選出されています。認定支援機関を活用することで、補助金申請だけでなく、財務状況、財務内容、経営状況に関する調査・分析までを支援するため、自社の経営課題の「見える化」に役立ちます。
カテゴリー
最新の記事
- 省力化投資補助金の採択率は?採択率を上げるポイント
- 飲食業にオススメ! 省力化投資補助金で導入できる設備は!?
- 省力化投資補助金の製品カテゴリに溶接機が追加
- 省力化投資補助金は製造業は使えない・使いにくい!?
- 省力化投資補助金のカテゴリに工作機械(5軸マシニング)が登場!
- 中小企業省力化投資補助金 9月10月最新情報変更点まとめ
- 続報! 中小企業省力化投資補助金 応募・交付申請は随時受付に
- 中小企業省力化投資補助金第2回公募の申請受付がまもなくスタート!
- 省力化投資補助金第1回公募回のスケジュールが発表!
- 省力化製品販売事業者登録要領が発表!
- 省力化投資補助金 製品カタログ公開スタート!
- 省力化投資補助金公募要領発表!
- カタログ枠の対象製品について
- 省力化投資補助事業 補助金申請・カタログ登録の流れ
- 速報!省力化補助金 基本要件等 最新情報(事務局 公募要領より)
- 令和5年度補正予算、中堅企業が申請できる省力化補助金は?
- 中小企業省力化投資補助事業における補助金活用のメリット・デメリットとは
- カタログ型省力化補助金、IT導入補助金とはどこが違う!?
- 注目の新補助金!中小企業省力化投資補助事業 ものづくり補助金とはどこが違う!?
- 注目の新補助金!中小企業省力化投資補助事業・業界別対象設備予想!
- 注目の新補助金! 省力化投資補助枠(カタログ型)について徹底解説!
- 令和5年度補正予算で注目の新補助金!カタログ型の省力化投資補助事業とは?