省力化投資補助事業 補助金申請・カタログ登録の流れ

2024/02/21

はじめに

令和5年度補正予算で新設が発表された「中小企業省力化投資補助事業」(カタログ型)は、これまでにない新しい補助金ということで、注目している事業者の方も多いのではないでしょうか。
≪中小企業省力化投資補助事業とは?≫
中小企業省力化投資補助事業は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する新しい補助金制度です。
「中小企業省力化投資補助事業」は、中小企業等が簡易で即効性がある省力化投資を促進することを目的とし、審査にかかる時間を短くするために、カタログ型というスキームを採用しています。あらかじめ決められた選択肢の中から選ぶという点で、機器を自由に選択できないという制限はあるものの、情報の取捨選択の手間を省くという意味では、事業者へのメリットも大きいと思われます。

現在は公募要領がまだ発表されていないため、詳細については分からないことも多いのですが、事務局の公募が発表され、補助金の実施期間や公募回数が分かってきました。

参考記事:速報!省力化補助金 基本要件等 最新情報(事務局 公募要領より)

また先日、事務局公募説明会の資料が公開され、事業のスキームも明確になってきました。この記事では事務局公募説明会の公開資料から明らかになった、補助金申請とカタログ登録の流れを解説していきます。

申請受付開始までのスケジュール

現在発表となっている、申請受付開始までの公募スケジュールは以下の通りです。
2/20現在は、事務局の申請〆切りが終わり、事務局選定のための審査が行われているところです。
2/27に事務局の採択結果が発表された後は、3月下旬からカタログ登録が順次スタートし、合わせて公募要領も公開、4月から補助金の申請受付が開始される予定です。

補助金申請の流れ
補助金申請をする中小事業者の手順は、以下の通りとなります。

3月下旬に公募要領が発表されたら、カタログHPにて活用できる省力化機器を選択します。カタログが公開されるまでは、自社の生産プロセスや業務フローを振り返りながら、どのような工程で省力化が図れるかを考えてみましょう。
この補助金の大前提として、カタログに掲載されている製品しか、補助金を活用して購入することはできません。そこでまず、自社で活用したい製品・機器がカタログに掲載されているかを確認する必要があります。または、カタログに掲載されている製品群の中から、目的に沿って、導入したい設備を選ぶということになります。
また、カタログに掲載されている製品でも、自由に購入して補助金を申請できるわけではありません。必ずシステム(カタログHP)に登録されている省力化支援事業者を通して、補助事業を実施しなくてはならない点に注意しましょう。

システム(カタログHP)には、その機器を取り扱うことができる省力化支援事業者が掲載される予定となっています。導入したい機器が決まったら、購入先となる省力化支援事業者を選定します。この省力化支援事業者には、機器メーカーや販売代理店等が登録され、申請は、中小事業者と省力化支援事業者が共同申請という形で行います。
これは、現在のIT導入補助金の、IT導入支援事業者を通して申請を行うスキームと非常に似た形になると思われます。

その後、事務局にて審査が行われ、採択が決定するという流れです。採択後は、共同申請を行った省力化支援事業者のメーカーや代理店を通して機器を導入することになります。

機器登録の流れ

2/20現在は、事務局の公募が終わり、工業会の製品カテゴリ登録が行われています。この工業会の製品カテゴリに基づき、3月下旬からベンダー公募(カタログ選定)が行われる予定となっています。

なお、カタログ登録の件数としては、カテゴリ数300種×各カテゴリ型番100種=合計30,000種の機器の登録が想定されています。

機器登録の流れとしては、以下の図の通りです。
事務局が決定し、ベンダーの公募が開始されたら、まず、機器メーカーは企業自身の審査を事務局に依頼します。また合わせて、カタログに掲載したい個別の機器の審査を工業会に依頼します。工業会では申請のあった機器の性能等を審査した上で審査結果を取りまとめ、経済産業省にリストを提出します。機器が承認されると、経済産業省から事務局と工業会へ機器リストの承認通知が行われます。工業会から機器メーカーに対しては証明書が発行されるので、その証明書をもって、機器メーカーは事務局にカタログ登録の手続きを行います。
これらの手順を踏んで、事務局が申請書類を確認、機器がカタログに掲載される流れとなります。
機器メーカーの登録手順
≪2024年4月1日 追記≫
先日、中小企業省力化投資補助金 公式サイトにて、新たに「製品カテゴリ登録要領」が公開されました。これによると、前回の『「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局公募説明会』で示されたカテゴリ登録の流れから一部変更があるようです。

登録要領によると、カタログ登録を希望する機器については、工業会から事務局に必要書類を提出することとなっています。事務局は申請要件確認のうえ外部有識者委員会において意見招聘を行い、登録希望の機器をとりまとめて中小企業庁に報告します。
中小企業庁は業所管省庁等と共に「省力化指針」に基づいて検討し、結果を事務局に通知、
事務局から工業会へと回答がなされるということです。 

なお、製品カテゴリ登録は現在受付中で、承認されたカテゴリのみ、省力化製品登録・省力化製品製造事業者登録が可能となっています。

締切りについては現在公表されておりませんが、早期に製品カテゴリを決定し、カタログに長く製品が掲載されることにより、補助金受給を希望する企業の目に留まる機会も増加します。
当社では、機器等メーカーのカタログ登録手続きについての支援も行います。機器をカタログに掲載したいメーカーや海外メーカーの販売総代理店の方は、こちらからお問い合わせください。メーカー・商社・販売店向け専用ページ

省力化支援事業者の登録手順
補助金を活用して、中小企業者へカタログに掲載された機器を販売していくためには、販売店・商社等は省力化支援事業者として登録した上で、共同申請を行っていく必要があります。
また、機器等メーカーが直接販売する場合には、メーカー自身が省力化支援事業者として登録を行います。

当社では、商社・販売店の方向けの支援も行っています。補助金を活用した販路拡大を目指す商社・販売店・メーカーの方は、こちらからお問い合わせください。

まとめ

改めてスケジュールを見ると、事務局の決定から、ベンダー公募、申請受付開始まで約1か月となっており、スピード感を持った準備が必要となることが分かります。

シェアビジョンでは、補助金を活用して設備導入を検討している中小企業事業者の方はもちろん、メーカー・商社・販売店さまへ向けたサポートも行っています。ぜひ一度、ご相談ください。

今後も、省力化投資補助事業についての詳細が発表された際は、引き続きコラムでお知らせしていきます。
筆者・監修

省力化補助金編集部

シェアビジョン株式会社

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