省力化投資補助金 製品カタログ公開スタート!

2024/04/24

はじめに

昨今の人手不足の問題に対し、IoTやロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品が補助対象となるカタログ型の省力化投資補助金は、令和5年度補正予算で新設された補助金制度で、中小企業からの注目度も高くなっています。このブログ執筆時点で、まだ申請開始時期は明示されていませんが、2024年3月29日に公募要領が公開され、先日は省力化効果のある製品がまとめられた、製品カタログが公開されました。
参考:中小企業省力化投資補助事業製品カタログ令和6年4月15日
(https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_catalog.pdf)

製品カタログ登録までの流れ

このカタログ型省力化投資補助金は、まず、工業会によりカテゴリ登録申請が行われ、承認された機器カテゴリに対して、そのカテゴリの製品を製造しているメーカーが、具体的な製品の登録申請をする流れとなっています。
参考記事:省力化投資補助事業 補助金申請・カタログ登録の流れ
(https://svltd.co.jp/syouryokuka-hojo-col/detail.html?id=1390)
工業会とは
工業会とは、特定の業界や地域の企業が集まって組織する団体で、政府や他の団体との連携を通じて業界全体の利益や発展を促進します。様々な活動を通じて情報交換や技術革新を支援し、業界全体の競争力を高める役割を果たします。工業会に属するメーカーの製品に対し、その機能等を証明する証明書を発行する役割も担っており、工業会証明書は税制上の優遇を受けるためにも使用されます。
これまで、別の補助金を申請したことがある事業者の方は経験されたことがあるかもしれませんが、補助金を活用して設備を導入する際は、どうしてもスケジュールの制約を受けます。補助金を活用して設備を導入する場合、設備の発注は交付決定を待たなければいけません(事業再構築補助金では、一部、事前着手申請という例外的な制度がありましたが、今後、公募される第12回公募においては、事業再構築補助金でも、事前着手制度は原則廃止になる見込みです)。

ものづくり補助金や事業再構築補助金では、採択発表後に交付申請を行いますが、それらが事務局によって事業計画に沿っているか、適切で必要な経費であるかを検証した上で、交付が決定します。補助金の種類や事業内容によっては、交付申請の段階で、提出書類の修正が求められる等して、この交付申請から交付決定までに数ヶ月かかるケースもあります。設備を早く導入したい事業者にとっては、頭の痛い問題です。

省力化投資補助金では、このような事態を回避し、採択発表から事業者が設備を導入するまでの期間を短縮し、スピーディーに支援を行いたいという狙いから、このように、カタログに掲載する製品の機能や信頼性等を工業会や事務局が事前に確認し、補助対象設備をカタログ掲載製品に限定する形をとっています。

現在承認されている製品カテゴリは

現在、省力化投資補助金で承認されている製品カテゴリは、以下の9つです。製品カテゴリについては、こちらの記事でも記載しています。
参考記事:カタログ枠の対象製品について
(https://svltd.co.jp/syouryokuka-hojo-col/detail.html?id=1517)

製品カテゴリ:対象業種:対象業務プロセス
●清掃ロボット:宿泊業、飲食サービス業:施設管理
●配膳ロボット:飲食サービス業、宿泊業:配膳・下膳
●自動倉庫:製造業、倉庫業、卸売業、小売業:保管・在庫管理、入出庫
●検品・仕分システム:倉庫業、製造業、卸売業、小売業:資材調達、加工・生産、検査、 保管・在庫管理、入出庫
●無人搬送車(AGV・AMR):倉庫業、製造業、卸売業、小売業:資材調達、加工・生産、検査、 保管・在庫管理、入出庫
●スチームコンベクションオーブン:飲食サービス業、宿泊業、小売業:調理
●券売機:飲食サービス業:注文受付
●自動チェックイン機:宿泊業:受付案内、予約管理、 請求・支払、顧客対応
●自動精算機:飲食サービス業、小売業:請求・支払

カタログには、使用する場面や活用イメージ、業務プロセスの変化等の例も記載されており、事業者の方にとって導入をイメージしやすいよう表示されています。製品カタログへの掲載内容は、以下の通りです。

・製品カテゴリ
・対象業種
・対象業務プロセス
・例えばこんな場面で…
・活用イメージ
・業務プロセスの変化(例)
・製品カテゴリの概要
・主に利用が想定される中小企業
・省力化効果
・価格と導入費用(目安)
・活用事例・ポイント

参考:中小企業省力化投資補助事業製品カタログ令和6年4月15日
https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_catalog.pdf)

具体的な製品が掲載されている製品カテゴリは

具体的な製品が掲載されている製品カテゴリは、以下の3つです。

●無人搬送車(AGV・AMR):1製品
●スチームコンベクションオーブン:4製品
●券売機:6製品

具体的な製品カタログには、以下の内容が記載されています。
・所属カテゴリ
・業種/業務領域
・製品の名称
・型番
・製品の概要説明
・製品のURL
・製造事業者名
・製造事業者の所在地
・製造事業者のURL

現在、全部で11製品が登録されていますが、内訳を見ると、無人搬送車で1社1製品、スチームコンベクションオーブン1社4製品、券売機1社6製品で、3社分の製品しか掲載されていません。現在承認されている9つのカテゴリについては、引き続き製品登録受付中となっており、順次、審査が行われ、カタログに追加されていくと思われます。

省力化投資補助金は、あらかじめカタログに登録された製品のみが補助対象のため、カタログに製品が掲載されることによって受注機会の拡大及び売上増加が見込まれ、製造事業者、メーカーにとっても大きなメリットになります。今回のはじめてのカタログ公表で、製品登録の動きが加速しそうです。

まとめ

令和5年度補正予算の目玉として発表された、省力化投資補助事業(カタログ枠)ですが、3月下旬に事務局が決定し、公募要領が発表されました。カタログ登録の件数としては、カテゴリ数300種×各カテゴリ型番100種=合計30,000種の機器の登録が想定されています。今後、製品カタログの登録・審査がどの程度のペースで進んでいくかは分かりませんが、今回のカタログ公表で、製品登録の動きが加速することは間違いないでしょう。

シェアビジョンでは、補助金を活用して設備導入を検討している中小企業事業者の方はもちろん、メーカー・商社・販売店さまへ向けたサポートも行っています。ぜひ一度、ご相談ください。

今後も、省力化投資補助事業についての詳細が発表された際は、引き続きコラムでお知らせしていきます。
筆者・監修

省力化補助金編集部

シェアビジョン株式会社

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