この記事のポイント
ものづくり補助金は来年度も継続の見通し
省力化投資補助金はカタログの拡充に期待
事業再構築補助金13回公募実施の有無は未だ不透明
来年度補助金の見通し
本年度の経済産業省主催の補助金は公募が終了していますが、今後の重点施策が発表されたことにより、来年度の補助金の見通しが少しずつ明らかになってきました。
中小企業支援については、「付加価値の向上や省力化に資する投資の推進」として、以下のようにあります。
中小・小規模企業の生産性向上を図る上で、AI、ロボットなどの自動化技術の利用・ 活用が不可欠。また、こうした自動化技術は省力化に資することから、人手不足対策 としても有効。政府を挙げて支援を加速する。
ものづくり補助金は来年度も継続の見通し
中小企業生産性革命推進事業とは
中小企業生産性革命推進事業は、日本の中小企業の生産性向上を継続的に支援する制度です。令和5年度補正予算では2,000億円の予算が組まれ、ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金・事業承継・引継ぎ補助金が実施されています。
省力化投資補助金はカタログの拡充に期待
省力化投資補助金は令和5年度補正予算にて、新しく始まった補助金制度です。ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品が補助対象となるカタログ型の補助金ですが、現段階では、選択できる製品の登録が少なく、活用できる事業者が限られているのが実情です。
省力化投資補助金について、詳しい内容に興味がある方は以下の記事をお読みください。
事業再構築補助金の継続は不透明
今回、内閣府から発表のあった「新しい資本主義実現会議(第30回)重点施策」には、事業再構築補助金についての記載がなく、来年度の実施の有無は未だ不透明です。形を変えて公募が始まる可能性は残されていますが、現時点では明言できません。
ものづくり補助金19次公募スケジュール
補正予算の閣議決定は、例年12月ごろのため、その時点で、補助金の概要が明らかになり、年明け1~3月の間に公募が開始されるのではないかと予測できます。
おわりに
2024年5月に行われた第16回産業構造審査会にて製造業の政策の方向性について、「DX税制やものづくり補助金等のDX投資喚起策を中心に製造業DXを進める」とあったため、継続の見込みは高いと見ていましたが、今回、内閣府から発表された「新しい資本主義実現会議(第30回)重点施策」により、ものづくり補助金19次公募は実施の見込みが高まったと言って良いでしょう。
ものづくり補助金は、昨年度まで3か月に1回のペースで公募締切りが設けられ、通年で実施されていましたが、今年度からは公募回数が減って、年内に補助事業が完了するスケジュールで実施されました。来年度も、同様のスケジュール感で実施されることが予想されるため、公募回数も同程度になると見て良いでしょう。
ものづくり補助金の採択率は、17次公募の前までは50%前後推移していましたが、17次公募は29.4%、18次公募は35.8%と、非常に厳しくなりました。事業再構築補助金をはじめとして補助金の運用自体に、厳しい目が向けられていることもあり、採択に向けては、事業計画にはこれまで以上の説得力と実現性が求められるでしょう。
シェアビジョンは、全体採択率が低迷したものづくり補助金第17・18次公募においても、70%以上の採択率を保持しています。来年度、補助金を活用した設備投資をご検討されている事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
ものづくり補助金編集部
シェアビジョン株式会社
認定支援機関(認定経営革新等支援機関※)である、シェアビジョン株式会社において、80%以上の採択率を誇る申請書を作成してきたメンバーによる編集部が監修・執筆しています。
当社は、2017年の会社設立以来、ものづくり補助金や事業再構築補助金等の補助金申請サポートをはじめとしたコンサルティングサービスを提供してまいりました。『顧客・従業員のビジョンを共有し、その実現をサポートすることで社会の発展と幸福を追求する』を経営理念とし、中小企業の経営者のビジョンに寄り添い、ビジネスの課題を解決するための手助けをしています。支援してきたクライアントは1,300社以上、業界は製造業、建設業、卸売業、小売業、飲食業など多岐に渡ります。このブログでは、中小企業の経営者にとって有益な情報を分かりやすくお届けしてまいります。
※認定経営革新等支援機関とは?
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあると国が認定した経営相談先です。全国各地に3万箇所以上の認定支援機関があり、税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関、経営コンサルティング会社等が選出されています。認定支援機関を活用することで、補助金申請だけでなく、財務状況、財務内容、経営状況に関する調査・分析までを支援するため、自社の経営課題の「見える化」に役立ちます。