2025年は中小企業支援の補助金が充実!「新事業進出補助金」創設

2024/12/18
この記事のポイント

はじめに

先日、臨時国会にて、新たな経済対策「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」の財源の裏付けとなる令和6年度補正予算が成立しました。

2024年12月5日には、中小企業庁のHPにて「令和6年度補正予算案 中小企業・小規模事業者等関連ポイント」が発表され、新たに事業再構築補助金の後継となる「新事業進出補助金」創設が明記されています。補正予算の成立により、この案が予定通りに実施されることになりました。
2021年3月から2024年7月の公募まで、中小企業・小規模事業者への支援としては、コロナの影響による経済環境の変化への対応として、事業再構築補助金(事業再構築補助事業)が実施されていました。

事業再構築補助金は、中小企業等の新分野展開、業態転換、業種転換等の思い切った「事業再構築」の挑戦を支援することを目的として創設され、多くの中小企業が注目・活用していた補助金でしたが、令和5年度補正予算では新規予算は計上されず、カタログ型の設備投資を支援する省力化投資補助金に基金が再編されました。

その後、コロナの収束に伴い、目的としていた役割を終えたということで、2024年7月に締切、11月に採択発表のあった第12回公募が最後の公募となりました。

基金の予算はまだ残っているため、事業再構築補助金としてあと数回の公募が実施されるのではないかという見方もありましたが、その既存基金の活用により、新補助金が創設されることになりました。

この記事では、後継として新たに創設される「新事業進出補助金」のほか、2025年に新しく中小企業生産性革命推進事業の一部として創設される「中小企業成長加速化補助金」や、現在公募受付中の省力化投資補助金について、中小企業庁の発表からポイントを解説します。

事業再構築補助金の後継「新事業進出補助金」が登場!

2024年12月13日に中小企業庁が発表した「令和6年度中小企業・小規模事業者向け補正予算(案)」でも、新事業進出補助金の創設が明記されています。
新事業進出補助金は、既存基金を活用して1,500億円規模で行われるとされており、事業再構築補助金で活用されなかった分の予算が当てられると考えられます。

企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦(新規性)や賃上げ要件が主な要件として挙げられており、新市場進出という積極的な成長を検討している企業にとっては、注目の補助金になると言えるでしょう。

また、補助対象経費として、建物費が記載されています。建物費が対象となる補助金は限られるため、建物への設備投資を検討されている事業者にとってはチャンスとなります。ただ、事業再構築補助金でも後半は建物費の計上が厳しく審査されるようになったため、必要性を伝えるための綿密な事業計画が必須となります。

中小企業生産性革命推進事業に「中小企業成長加速化補助金」が創設

また、中小企業庁発表の「令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連予算)」では、「新事業進出補助金」のほかに、中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・M&A(引継ぎ)補助金の4補助金の総称)の一部として、「中小企業成長加速化補助金」という、新たな補助金が創設されることも明記されました。
この補助金では、売上高100億円を目指す中小企業への設備投資支援や、中小機構による多様な経営課題(M&A・海外展開・人材育成等)への支援等が行われるようです。

中小企業生産性革命推進事業は、これまでの4つの補助金に、成長加速化補助金を加えた5つ補助金が、令和6年度補正予算3,400億円で実施されることになります。

令和6年度補正予算ものづくり補助金は補助上限一部拡充や補助率アップ

令和5年度補正予算に基づくものづくり補助金は、17次・18次公募が実施され、公募の終了がすでに発表されていました。令和6年度補正予算の成立により、ものづくり補助金は来年以降も生産性革命推進事業の一部として、引き続き実施されることになります。

令和6年度補正予算に基づくものづくり補助金は、基本要件の見直しや従業員数21名以上の事業者の補助上限額アップ、最低賃金引上げ特例の創設など、17次・18次公募とはさまざまな変更点がありそうです。

詳細は公募要領が発表されましたら、またこのブログでも解説していきます。

ものづくり補助金については、詳しく知りたい方は、以下をお読みください。

省力化投資補助金は大幅リニューアル

省力化投資補助金は、現在公募受付が随時行われていますが、活用できる製品カタログの拡充が十分でないことから、活用が想定通りに進んでいないと思われます。そのためか、現在進行中のカタログ型とは別の形で、省力化補助金の運用改善・拡充が行われる見通しです。
「個別発注形式」「オーダーメイド形式」と記載がありましたが、2024年12月6日中小企業庁のHPにて、「一般型」という類型が新設されることが発表されました。これは、カタログ型と同じ省力化投資補助金の既存基金が活用されます。
省力化投資補助金については、以下で詳しい解説をしています。

まとめ

事業再構築補助金は公募が終了しましたが、2025年は新補助金として名称も変わり、「新事業進出補助金」として支援が実施されることになりました。

従来の事業再構築補助金は補助金額も規模が大きく、新しい市場への挑戦を目論む企業にとっては魅力高い補助金でした。今回創設される「新事業進出補助金」の補助金額等はまだ明らかになっていませんが、こちらも人気の補助金になるのではと予想されます。

事業再構築補助金に限らず、ここ最近の補助金の傾向として、審査が厳格化しています。実際、事業再構築補助金の第11回・12回公募は、26%台と非常に厳しい採択率でした。不採択の理由の一つとして、「事業再構築指針に沿ったと取組みだと読み取れない」という指摘がありました。補助金の採択にあたっては、申請する補助金の目的や指針に合わせて、説得力のある事業計画が作れるかどうかが重要になります。

新事業進出補助金をはじめ、その他、補助金を活用した設備投資を検討されている事業者の方は、ぜひ一度、認定支援機関にご相談ください。

新事業進出補助金については、まだ不明な点も多いですが、新しい情報が入りましたら、こちらのブログでも随時お知らせしていきます。
筆者・監修

新事業進出補助金編集部

シェアビジョン株式会社

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