新事業進出補助金の第1回公募要領発表!締切は7月10日

2025/05/14
この記事のポイント
本記事は、4月22日時点で発表された内容をもとに、シェアビジョン株式会社がまとめたものになります。当社ブログの見解に従った結果、不利益があった場合としても、当社は責任を負いかねます。また、本ページの情報や見解は、予告なしに変更することがあります。

はじめに

4月中旬には公開されるのではないかと予想されていた新事業進出補助金第1回公募ですが、4月22日に公募要領が公開されました。
電子申請開始が6月頃(予定)、7月10日18時が申請締切というスケジュールとなっており、
申請締切まで約2ヵ月と、タイトなスケジュールとなっています。
新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継制度として、新たに創設された補助金であり、予算は約1,500億円。事業再構築補助金の基金を活用する形で発表されました。
この記事ではスケジュールや基本的な要件など、第1回公募の新事業進出補助金について解説します。

新事業進出補助金第1回公募のスケジュール

まずはスケジュールを見てみましょう。
新事業進出補助金の第1回公募は、7月10日18時に公募が締め切られることがわかりました。中小企業向けの代表的な補助金であるものづくり補助金の20次公募の申請期間(7月1日17時~7月25日17時)と被ることになります。詳細な申請開始日はわかっていませんが、今後公式サイトで発表されるようです。
事業実施期間は、交付決定日から14ヵ月以内(採択発表日から16ヵ月以内)となっており、前身の事業再構築補助金の成長分野進出枠(GX進出類型)と同期間となっています。
また、交付申請は採択発表日から2ヵ月以内と明記されており、採択発表後は速やかに動き出して事業を計画的に進めることが求められています。

新事業進出補助金の目的等

新事業進出補助金は、企業規模の拡大や付加価値向上を通じた生産性向上、賃上げを目的として、中小企業等の新市場・高付加価値事業への進出を後押しする補助金です。
特に重要視されているポイントは「新市場・高付加価値事業」への進出です。この点に関しては別のコラムで詳しく解説しますが、
・実施する事業が実施企業にとって新規性があるか
・その事業が世界的にも新市場、もしくは高付加価値事業であるか
という点が重要視されています。比較的容易な新事業進出よりも、さらに大胆な新事業進出をより強く後押しする意図があるようです。

活用イメージとしては以下の通りです。

・活用イメージ①:
 ガソリン車の部品を製造していた事業者が、車両部品の製造で培った技術を活かして、新たに半導体製造装置の部品の製造に着手する

・活用イメージ②:
 注文住宅の建設を行っていた事業者が、建設業で培った木材の知見を活かして、新たにオーダーメイドの木材家具の製造に取り組む

また、事業再構築補助金と同様、建物費も補助対象経費として認められている点が特徴的と言えるでしょう。

新事業進出補助金の要件

今回公表された新事業進出補助金の申請枠は、前身である事業再構築補助金とは異なり、1枠のみとなりました。
基本要件は以下の6つです。事業再構築補助金と比較し、さらに新事業進出に特化した補助金となっています。
 要件の③と④には返還義務があります。それぞれ事業計画時に定めた目標値を達成する必要があることにも注意しましょう。
また、賃上げに係る特例要件も設けられています。

・補助事業実施期間内に、給与支給総額の年平均成長率6.0%以上、かつ事業場内最低賃金+50円以上

 こちらの特例要件は、対象期間が3~5年の事業計画期間ではなく、補助事業実施期間であることに留意が必要です。初回の事業化状況報告時に成果を報告し、未達の場合は上乗せ分の補助金額を返還する義務を負います。

新事業進出補助金の補助上限額及び補助率

公募枠は1つのみとなっており、最低補助金額が事業再構築補助金の100万円から750万円(対象経費1,500万円以上)に引き上げられています。
補助率は一律1/2、補助率引上げに係る特例はありません。
※()内は賃上げ特例を適用した場合。また、前身である事業再構築補助金では、補助事業の成果による事業化によって収益が認められた場合、得た収益を納付する「収益納付」が必要でした。
今回初公募となる新事業進出補助金では、収益納付が求められていません。他の中小企業向けの補助金でも同様の傾向があるようです。

新事業進出補助金に申請できない事業者とは

本補助金は、別の補助金に応募して採択を受けている事業者や、事業再構築補助金において義務を怠った事業者の一部も補助対象外となるため、注意しましょう。
また、新事業への進出を後押しするという観点から、従業員数や創業年数にも対象外が存在します。
など

新事業進出補助金の加点項目、減点項目

補助金は、審査項目が点数化され、それによって採択されるかどうかが決まります。そのため、事業計画書の内容に加えて、加点項目をどれだけ満たせるか、または減点項目に該当しないかが重要です。
加点項目においては、事業再構築補助金にあった「コロナ借換加点」が無くなったことが大きなポイントと言えるでしょう。コロナ対策として生まれた事業再構築補助金との明確な違いが表れている点と言えます。
減点項目においては、4月20日に先んじて公募開始となったものづくり補助金の20次公募と同じく「他の補助事業の事業化が進展していない(事業化段階3以下)事業者」という項目が新たに設けられています。この項目を満たさないと、国の税金が原資となっている補助金を受け取っているのに、効果を発揮できない(事業を実現できない)事業者と見なされるということになると思います。現状、対象となる補助金は、事業再構築補助金とものづくり補助金ですが、新事業進出補助金も対象として記載されているため、2回目以降も減点項目として設けられることが予想されます。
    加点項目
    減点項目

    まとめ

    昨年12月の令和6年度補正予算で新設が発表されていた、新事業進出補助金の公募がついに発表されました。13回にわたって行われた事業再構築補助金の後継として、注目していた事業者の方も多いのではないでしょうか。
    申請開始日やフォーマットはまだ公開されていませんが、補助金額が最大9,000万円と高額であることや、新事業ヘ特化した補助金であることから、より綿密な事業計画の策定が必要になるのではないかと予想できます。
    補助金の採択においては、事業の内容が補助金の目的に沿っていることや、審査項目を漏れなく記載すること、内容の算出根拠を明確に記載することなどが求められます。特に、本補助金においては、新事業の進出が要件となっており、早めの計画立案が必須となります。
    今回の発表は第1回公募となっており、今後も公募が続いていくことが予想されます。
    これまでの他の補助金でも、第1回公募は採択率が高い傾向にありますが、今回は特に、ものづくり補助金と締切が近く、どちらかを選ぶ企業が現れる可能性があります。その結果、競合相手が分散し、採択可能性が高まることも予想されます。
    新事業進出補助金の活用をご検討中の事業者の方は、ぜひお早めにご相談ください。

    筆者・監修

    新事業進出補助金編集部

    シェアビジョン株式会社

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