ものづくり補助金17次締切 「省力化(オーダーメイド)枠」が公募開始!

2024/01/15
ものづくり補助金とは、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの省力化を行うための設備投資を資する補助金です。

令和5年の公募要領(16次締切)では「革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する」と書かれていましたが、令和5年度補正予算(17次締切)からは「改善」にかわって「省力化」という単語が用いられています。
2023年度補正予算のものづくり補助金において、中小企業庁から公開された変更点は大きく以下の通りです。
今回の記事では、16次締切までの制度との変更点も踏まえて、ものづくり補助金17次締切の詳細について説明します。

①「省力化(オーダーメイド)枠」、「製品・サービス高付加価値化枠」等の新設

令和5年度補正予算におけるものづくり補助金の申請類型は、「省力化(オーダーメイド)枠」、「製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型<DX・GX>)」、「グローバル枠」の3つです。

令和5年度補正予算では、生産プロセス等の省力化を進めるべく、「省力化(オーダーメイド)枠」が新設されました。また、従来の枠が見直され、「製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型<DX・GX>)」、「グローバル枠」に整理統合されました。
17次締切の公募で公開された2024年度ものづくり補助金における各申請枠の詳しい内容は以下の通りです。1. 「省力化(オーダーメイド)枠」
・「省力化(オーダーメイド)枠」とは?
令和5年度補正予算において新たに設けられた「省力化(オーダーメイド)枠」は、人手不足の解消を大きな目的としています。デジタル技術等を活用したオーダーメイド設備を導入することで、生産プロセスやサービス提供方法を革新的に効率化・高度化するために必要な設備やシステム投資等を支援する補助金制度です。

デジタル技術等を活用したオーダーメイド設備とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(Sler)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことをいいます。

・補助上限額・補助率 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
・基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書を策定及び実行すること
(①、②の年平均成長率は複利にて計算しなければなりません(以下も同様です)。)
3~5年の事業計画に基づき事業を実施していただくとともに、毎年、事業化状況報告を提出いただき、事業成果を確認します。また、基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。
・基本要件に加えた追加要件
2.「製品・サービス高付加価値化枠」
・「製品・サービス高付加価値化枠」とは?
「省力化(オーダーメイド)枠」同様、令和5年度補正予算において新たに設けられた「製品・サービス高付加価値化枠」は、中小企業や小規模事業者が付加価値の高い革新的な製品・サービスの開発に取り組むために必要な設備投資等を支援する補助金制度です。

今後成長が見込まれる分野(DX・GX)は成長分野進出類型とし、通常類型よりも補助上限額・補助率において重点的に支援します。また、コロナからの回復を図りつつ、最低賃金の引き上げにも取り組む事業者を通常類型よりも補助率を引き上げて支援します。

・補助上限額・補助率 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
<通常類型>
<成長分野進出類型(DX・GX)>
・基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書を策定及び実行すること
3~5年の事業計画に基づき事業を実施していただくとともに、毎年、事業化状況報告を提出いただき、事業成果を確認します。また、基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。
3.「グローバル枠」
・「グローバル枠」とは?
「グローバル枠とは、海外事業の拡大・強化等を目的とした「製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援する補助金制度です。

・補助上限額・補助率 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
・基本要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書を策定及び実行すること
3~5年の事業計画に基づき事業を実施していただくとともに、毎年、事業化状況報告を提出いただき、事業成果を確認します。また、基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。
2023年12月27日、ものづくり補助金17次締切は「省力化(オーダーメイド)枠」のみで、公募が開始されました。「製品・サービス高付加価値化枠」、「グローバル枠」については、17次締切での募集は行いません。18次締切は「省力化(オーダーメイド)枠」、「製品・サービス高付加価値化枠」、「グローバル枠」を公募予定としておりますが、17次締切の公募に応募する事業者は、18次締切の公募には応募できませんので、ご注意ください

②大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例の拡充

持続的な賃上げを実現するため、大幅な賃上げに取り組む事業者に対して、従業員規模に応じて補助上限額を100万円~2,000万円引き上げます(新型コロナ回復加速化特例適用事業者を除く)。また、省力化(オーダーメイド)枠においては、上乗せ額を拡充し、最大2,000万円まで補助上限を引き上げます。下記要件未達の場合、補助金上乗せ分について全額返還となります。

・基本要件との比較
⇒上記を満たし、賃上げに係る計画書を提出する
※各申請枠の補助上限引き上げ額は、上記の各申請枠の補助上限額のカッコ内に記載

③その他

1.一部事業者に口頭審査を実施
これまで口頭審査はなく、基本的に申請書類と事業計画書による審査で採択が決定していました。しかし、第17次締切以降から、補助申請額が一定規模以上の申請を行う事業者を対象に、オンラインで口頭審査が実施されます。口頭審査は、事務局が指定のうえ、申請者にご連絡します。日時の変更やご希望は承りかねますのでご了承ください。

2.補助事業は令和6年12月10日まで
令和5年度補正予算に基づく公募は、2回程度実施予定です。補助事業実施期間は、いずれの公募回においても令和6年12月10日までに実績報告を完了する必要があります。延長はできませんのでご注意ください。さらに、実績報告後に修正を依頼される場合もありますが、その内容が事務局により確認後確定し、請求を行う期日も令和7年1月31日までと決まっております。そのため、事務対応は早々に準備をしておくことが必要です。
また、ものづくり補助金の事前準備から事業完了までのスケジュールは以下の通りです。
3.助成金との連携
ものづくり補助金の「製品・サービス高付加価値化枠」で交付決定を受けた中小企業等に対し、昨今の景気変動、産業向上の変化その他の経済上の理由により、事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた中小事業主等が生産性向上等に必要な新たな人材を雇入れた場合に、当該事業主に対し、当該人材に係る賃金の一部を助成する「産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)」との連携を実施します。

<17次締切の申請スケジュール>
17次締切の申請締切日は、2024年3月1日(金)17:00までとなっています。※時間厳守
17次締切は「省力化(オーダーメイド)枠」のみの公募となり、17次締切の公募に応募する事業者は18次締切の公募には応募できませんので、16次締切と比べて応募者数は少なくなることが予想されます。

応募者数が少なければ、採択される確率は高くなることが考えられますので、ものづくり補助金の「省力化(オーダーメイド)枠」での申請を検討されている方は、認定経営革新等支援機関に一度ご相談ください。
著者

ものづくり補助金編集部

シェアビジョン株式会社