令和5年度補正予算の変更点

2024/01/05

ものづくり補助金の申請枠が変更

中小企業生産性革命推進事業の令和5年度補正予算額が2,000億円に決定されました。生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、国内外の販路開拓、事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援することを目的とする補助金です。
この中に含まれるものづくり補助金ですが、2023年11月29日に成立した令和5年度補正予算の概要では、申請枠や類型が16次公募までと比較して大きく変更します。

令和5年度補正予算からのものづくり補助金の変更点

17次以降のものづくり補助金の目的や公募回数

「中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、新製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援する」とあり、「省力化」が大きなポイントです。

公募は2回程度の実施を予定されています。

1.支援枠・類型別の補助上限額

補助上限額の()内は大幅賃上げ特例適用時の上限額。
…補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対して、上記枠の補助上限額を従業員規模によって100万円~2,000万円が上乗せされます(新型コロナ加速化特例適用事業者を除く)。

新たなものづくり補助金の支援枠別活用イメージ

<省力化(オーダーメイド)枠>
特徴:生産プロセス改善等の取組

ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠は、中小企業や小規模事業者が直面する生産性の課題や、市場での競争力を強化するための具体的な支援を提供する目的の支援枠となります。
補助金額が750万円~8,000万円と大幅に強化されています。これまでのものづくり補助金と異なり、中小企業の生産性向上と市場での競争力を高める点で、省力化への投資が重視されていることが伺えます。

新たなものづくり補助金の支援枠別活用イメージ

どういった場合にどの支援枠が活用できるのかが示されています。
<省力化(オーダーメイド)枠>
熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現する。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。

<製品・サービス高付加価値化枠>
【通常類型】最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発する
【成長分野進出類型】AIやセンサー等を活用した高精度な自立走行搬送ロボットの試作機を開発する

<グローバル枠>
海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し、新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展する

今後の動向

令和5年度補正予算にて、支援枠の新設等の変更点が明確化されてきました。
また、ものづくり補助金の成果目標として、
以上を目指しており、今後、補助金の活用によってさらなる中小企業等の成長が目指されていることがわかります。

17次公募においては未だ公募要領が発表されていませんが、ものづくり補助金にてより大きな資金支援が可能になると注目されています。以上の内容を踏まえた、支援枠の意図に該当するような事業内容であることが求められるため、最新の公募要領の発表を待ち、柔軟に対応していく必要があるといえます。

ものづくり補助金の申請や設備投資を検討されている方は、補助金に精通しており支援実績ともに採択率の高い認定支援機関にご相談ください。
著者

ものづくり補助金編集部

シェアビジョン株式会社