ものづくり補助金の申請を検討されている事業者のなかには、事業再構築補助金等、複数の補助金を活用したいという方もいらっしゃるかと思います。この記事では、他の補助事業との併用は可能かどうかについて説明します。ものづくり補助金と事業再構築補助金の併給は可能です。
「事業再構築補助金で新しい事業に取り組みたい。同時にものづくり補助金で既存事業の強化を図りたい」という希望は叶えられます。
事業再構築補助金のよくある質問によると、
内容が異なる別の事業であれば、同じ事業者が異なる補助金を受けることは可能です。
ただし、同一事業での複数の国の補助金を受けることはできません。
とあります。
数ある補助金の中でも、新型コロナウイルス対策として始められた事業再構築補助金はものづくり補助金と性質が似ている部分が多く、併用することでさらに大きな額の補助金を受け取ることが可能で、実際に両方採択された事例もあります。
しかし申請内容に注意しないと、申請が通らないこともあります。具体的には以下に述べます。
注意点として、同様の事業内容で複数の補助金を併給することはできません。
以下は併給が可能と考えられる例です。
居酒屋が新型コロナ感染拡大の影響を受け、客足が遠のいていたことから、人気商品の焼鳥の通信販売を行いたい。焼き鳥は消費期限が当日中であるため、全国から配送希望があるのにもかかわらず通信販売を行うことができなかった。そこで、冷凍設備と真空包装機等を導入して生産プロセスを改善し、焼き鳥の消費期を伸長して通信販売を可能とするため、事業再構築補助金の計画を策定する。
さらに、当社の複数ある支店での料理の提供プロセスを一元化し、省人化とコスト改善を果たすため、セントラルキッチンを創設するためものづくり補助金を活用する。
電子申請時に、過去の補助事業等の実績を申請し、同一事業ではないことを明記する必要があります。さらに、事業実施中の案件を含め、これまでに交付決定を受けた補助金または委託費の記載が対象で、過去3年間を目安に記載します。
そのため、申請する事業と過去の実績とは異なる事業であるかどうかを示したしっかりとした事業計画が必要です。
過去にものづくり補助金に採択した事業者の再申請は可能?
複数回の申請は可能です。
しかし、注意点もあり、応募締切日から過去3年以内に交付決定を1回のみ受けた事業者は減点措置の対象となります。例として15次公募の場合では、応募締切日である令和5年(2023年)7月28日の「3年前=令和2年(2020年7月28日」以降に交付決定された事業がカウントされます。「交付決定の取消し」となった場合や「交付決定後に事業の廃止」を申請した場合でも、すべてカウント対象です。
さらに、過去3年以内に2回以上の交付決定を受けた事業者は申請不可となります。
詳しくはこちらの記事で解説します。
複数の補助金の申請を検討されている方は、以上の注意点を含めて事業計画を策定する必要があるため、ものづくり補助金や事業再構築補助金を専門としている認定支援機関にご相談ください。