ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の14次締切につきましては、令和5年1月11日から令和5年4月19日までの期間において公募を行ったところ、全国で4,865者からの申請がありました。
全国採択審査委員会において厳正な審査を行った結果、このうち2,470者が採択され、採択率は50・8%でした。
申請件数・応募者・採択率の推移
締切回 | 採択発表日 | 応募者数 | 採択者数 | 採択率 | |
---|---|---|---|---|---|
1次 | 令和2年4月28日 | 2,287 | 1,429 | 約62.5% | |
2次 | 令和2年6月30日 | 5,721 | 3,267 | 約57.1% | |
3次 | 令和2年9月25日 | 6,923 | 2,637 | 約38.1% | |
4次 | 〔一般型〕 | 令和3年2月18日 | 10,041 | 3,132 | 約31.2% |
〔グローバル展開型〕 | 271 | 46 | 17.0% | ||
5次 | 〔一般型〕 | 令和3年3月31日 | 5,139 | 2,291 | 約44.6% |
〔グローバル展開型〕 | 160 | 46 | 約28.8% | ||
6次 | 〔一般型〕 | 令和3年6月29日 | 4,875 | 2,326 | 約47.7% |
〔グローバル展開型〕 | 105 | 36 | 約34.3% | ||
7次 | 〔一般型〕 | 令和3年9月27日 | 5,414 | 2,729 | 約50.4% |
〔グローバル展開型〕 | 93 | 39 | 約41.9% | ||
8次 | 〔一般型〕 | 令和4年1月12日 | 4,584 | 2,753 | 約60.0% |
〔グローバル展開型〕 | 69 | 27 | 約39.1% | ||
9次 | 〔一般型〕 | 令和4年3月25日 | 3,552 | 2,223 | 約62.6% |
〔グローバル展開型〕 | 61 | 24 | 約39.3% | ||
10次 | 〔一般型〕 | 令和4年7月15日 | 4,224 | 2,584 | 約61.2% |
〔グローバル展開型〕 | 70 | 28 | 約40.0% | ||
11次 | 〔一般型〕 | 令和4年10月20日 | 4,688 | 2,786 | 約59.4% |
〔グローバル展開型〕 | 76 | 31 | 約40.8% | ||
12次 | 〔一般型〕 | 令和4年12月16日 | 3,200 | 1,885 | 約58.9% |
〔グローバル展開型〕 | 56 | 22 | 約39.3% | ||
13次 | 〔一般型〕 | 令和5年2月20日 | 3,261 | 1,903 | 約58.4% |
〔グローバル展開型〕 | 61 | 24 | 約39.3% | ||
14次 | 令和5年6月23日 | 4,865 | 2,470 | 約50.8% |
採択率は1次締切では62.5%と高かったものの、応募者数の増加に従って低下し、4次締切では31.5%と際立って低い結果となりました。その後徐々に採択率を伸ばし、60%を超えることが増え、高い採択率を維持しています。
しかし、14次締切で採択率は約50.8%まで急落することとなりました。
14次採択の内訳
申請枠 | 応募者数 | 採択者数 | 採択率 | |
14次 | 通常枠 | 3,322 | 1,661 | 50.0% |
回復型賃上げ・ | 190 | 95 | 50.0% | |
デジタル枠 | 1,015 | 569 | 約56.1% | |
グリーン枠 | 131 | 72 | 約55.0% | |
グローバル市場 | 207 | 73 | 約35.3% |
グローバル市場開拓枠のみ30%台と、かなり低い採択率であるため、申請を検討している場合は慎重に準備を進めるべきと考えられます。
ものづくり補助金で採択率の高い業種は?
学術研究、専門・技術サービス業は、主として学術的研究などを行う事業所、法律・財務及び会計などに関する事務や相談、デザイン,文芸・芸術作品の創作、経営戦略など専門的な知識サービスを提供する事業所が分類されています。耳慣れない業種かと思いますが、会計事務所や獣医師サービスなどが含まれます。
製造業については、新規商品を開発する機械や自動化をすすめる機械を導入することが多く、ものづくり補助金の目的と相性がよいためと考えることができます。
加点項目別の採択率
加点項目に関して注意すべきなのは、申請日の時点で要件を満たすことです。例えば成長性加点で必要な「経営革新計画」は、行政庁に提出するだけでは加点にはならず、申請時点で計画の承認を得ている必要があります。承認まで相当の時間を要しますので、ものづくり補助金の申請直前に経営革新計画を提出しても間に合いません。余裕を持ったスケジュールで取り組みましょう。
今回の記事ではものづくり補助金の採択率の推移、申請タイミング、申請額、加点について説明しました。
小林 卓矢
シェアビジョン株式会社代表取締役
1979年5月生まれ。 2002年に明治学院大学卒業後、株式会社エフアンドエム(東証JASDAQ上場)へ入社。 事業本部長として、中小企業向けに事業計画策定による金融支援から各種補助金申請のコンサルティングサービスの新規事業を立ち上げ、ものづくり補助金では2000社以上の企業を支援する。経済産業省主催の中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン策定検討会に検討委員として、ガイドライン策定にも関与。 入社当初の起業の目標を実現すべく、2017年5月にシェアビジョン株式会社を設立し、現在に至る。