ものづくり補助金は、申請者全てが受け取ることができるものではなく、申請者が作成した「事業計画書」を事務局が審査し、補助金の支給にふさわしいと判断された場合のみ受け取ることができます。
今回は、ものづくり補助金がどのようなポイントで審査されるのか、どのように加点されるのかをご紹介いたします。
ものづくり補助金の審査は、第一段階として、ものづくり補助金の「申請要件」を満たしているかの確認が行われます。そして、申請要件を満たした事業者は、次に挙げる様々な観点から採点され、点数が高い事業者は、より採択される可能性が高くなります。
ものづくり補助金の審査項目は「A.技術面」、「B.事業化面」、「C.政策面」、「D.炭素生産性向上の取組等の妥当性(グリーン枠)」、「E.グローバル市場開拓の取組等の妥当性(グローバル市場開拓枠のみ)」「F.大幅賃上げの取組等の妥当性(大幅賃上げに取り組む事業者のみ)」の6つで構成されており、これに加えて「加点項目」、「減点項目」が定められています。
これらの項目は、すべて公募要領に明記されているため、熟読し、申請書はこの審査項目の内容に完全に準拠することが採択への近道となります。
15次締切分の公募要領に掲載されている審査項目・加点減点項目は以下の通りです。
① 新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。「中小サービス事業者の生産性向上
のためのガイドライン」又は「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指
針」に沿った取組であるか。
② 試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
③ 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
④ 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか。
① 補助事業実施のための社内外の体制(人材、事務処理能力、専門的知見等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。
② 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。
① 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。
○地域未来牽引企業
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html
○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html
② ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
③ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。
○アトツギ甲子園
https://www.meti.go.jp/press/2022/11/20221104008/20221104008.html
④ 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイベーションを牽引し得るか。
⑤ ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換、事業環境の変化に対応する投資内容であるか。また、成長と分配の好循環を実現させるために、有効な投資内容となっているか。
① 炭素生産性を向上させるための課題が明確になっており、温室効果ガスの排出削減等に対して有効な投資となっているか。
② 炭素生産性を向上させるための取組内容が具体的に示されており、その算出根拠、効果が妥当なものとなっているか。
③ 設備投資の効果が定量的に示されており、その算出根拠が妥当なものとなっているか。また、本事業の目標に対する達成度の考え方、見込みが明確に設定されているか。
④ 温室効果ガスの排出削減、エネルギー消費削減等に資する継続的な取組が実施されているか。➀ 海外展開等に必要な実施体制や計画が明記されているか。また、グローバル市場開拓に係る専門性を申請者の遂行能力または外部専門家等の関与により有しているか。
② 事前の十分な市場調査分析を行った上で、国際競争力の高い製品・サービス開発となっているか。
③ 国内の地域経済に寄与するものであるか。また、将来的に国内地域での新たな需要や雇用を創出する視点はあるか。
④ ブランディング・プロモーション等の具体的なマーケティング戦略が事業計画書に含まれているか。(②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ
➀ 大幅な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来に渡り、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。また、人件費だけでなく、設備投資等に適切に充当し、企業の成長が見込めるか。
③ 将来に渡って企業が成長するため、従業員間の技能指導や外部開催の研修への参加、資格取得促進等、従業員の部門配置に応じた人材育成に取り組んでいるか。また、従業員の能力に応じた人事評価に取り組んでいるか。
④ 人事配置等の体制面、販売計画等の営業面の強化に取り組んでいるか。① 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
② 政策加点:
②-1:「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
※ 会社成立の年月日(個人事業主の場合は開業日)又は代表取締役の就任日が公募開始日より5年前の日から応募締切日までの場合に対象となります。なお、個人事業主や組合にあっては「第二創業」の加点はありません。個人事業主の営む事業を承継する場合は、承継者の「創業」として申請してください。
②-2:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
※ 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp/index.html)において宣言を公表している事業者。(応募締切日前日時点)
②-3:再生事業者(本事業における再生事業者の定義は別紙4の通り)
②-4:デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
a.デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識、その内容について公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
b.上記a.を踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルを策定・公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最
高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690 行目/Ver.2.3 以降の場合はシート「IT システム構築の取組状況(定量指標)」の 11~13 行目)を全て記載
E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」※を利用している
か。
※独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービス https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/otasuketai/#list
②-5:令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者
※健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト(https://www.kenko-keiei.jp/)
➁⁻6:技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
②-7:J-Startup、J-Startup 地域版に認定された事業者
※J-Startup 事務局ポータルサイト(https://www.j-startup.go.jp/)
J-Startup 地域版(https://www.j-startup.go.jp/local_3/)
②-8:「新規輸出 1 万者支援プログラム」に登録した事業者(グローバル市場開拓枠のうち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ)
※応募締切日前日時点で「新規輸出 1 万者支援プログラム」ポータルサイト
(https://www.jetro.go.jp/ichiman-export.html)において ID を取得している事業者。
※ 申請者が上記プログラムに登録されているか否かの事実確認を行うことを目的として、本補助金の申請に関する情報を独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)と共有することがあります。
②-9:取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者(グリーン枠のみ)
③ 災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」
④ 賃上げ加点等:
④-1: 事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額と事業場内最
低賃金をそれぞれ以下(ア)もしくは(イ)の通りとする計画を有し、事務局に誓約書を
提出している事業者に対して加点を行ないます。
組む場合」
⑤ ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点
⑤-1: 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「える
ぼし認定」を受けている事業者、もしくは従業員 100 人以下の事業者で「女性の活躍推進
企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)
⑤-2:次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業
者、もしくは従業員 100 人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
※厚生労働省「両立支援のひろば」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/search_int.php)
※ 通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、グローバル市場開拓枠(②海外市場開拓(JAPANブランド)類型を除く)については最大6項目の加点が可能。
※ デジタル枠については最大6項目の加点に加え、デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況にある6項目を加えた計12項目の加点が可能。
※ グリーン枠については最大6項目の加点に加え、取引先の事業者がグリーンに係る取組を宣言している事業者の計7項目の加点が可能。
※ グローバル市場開拓枠②海外市場開拓(JAPANブランド)類型については最大6項目の加点に加え、「新規輸出 1 万者支援プログラム」に登録した事業者の計7項目の加点が可能。
※ 加点項目の一部については、エビデンスとなる添付書類を提出していただきます。
※ 審査の結果、各要件に合致した場合にのみ加点されます。
①応募締切日から過去3年間に、類似の補助金(※)の交付決定を1回受けている場合
※令和元年度補正・令和2年度補正・令和3年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 ものづくり補助金に1度受かっている場合は、減点措置の対象となります。
②回復型賃上げ・雇用拡大枠において、繰越欠損金によって課税所得が控除されることで申請要件を満たしている
交付決定を受けた事業者に対する「減点」や「対象外」は、「交付決定の取り消し」となった場合や「交付決定後に事業の廃止」を申請した場合でも、すべて該当いたします。
なお、汎用性のあるA~Cのポイントをまとめると以下の通りとなります。
A.技術面
・新商品や新サービスは革新的な取り組みか
・課題が明確で、課題を解決させる事業であるか
・課題解決方法そのものが、他社と差別化されているか・他社と比べて優れているか。
・事業に取組むために必要な技術や、役に立つ要素はあるか
B.事業化面
・人材・財務状況は十分か
・新事業のマーケティングができているか
・無理なく事業を行えるスケジュールか
・コストパフォーマンスは高いか
C.政策面
・地域貢献できる事業か
・ニッチな分野で高いシェアを確保できるか
・難しい課題について外部と協力し解決できるか
・新しいデジタル技術やビジネスモデルを活用しているか
・アフターコロナ・ウィズコロナに対応した事業か
また、加点項目については以下に解説します。
① 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
経営革新計画とは、中小企業が「新事業活動」に取り組み「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書であり、一定の要件を満たすことで都道府県から承認を得ることが可能です。
② 政策加点:「創業・第二創業まもない事業者(5年以内)」
:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
:「再生事業者」
:「デジタル技術の活用及びDX推進の取り組み状況」
:「令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者」
なお、「パートナーシップ構築宣言」とは、サプライチェーン全体の共存共栄と規模や系列を越えた新たな連携などをした事業者が、政府に対して宣言をする制度のことです。
また、再生事業者とは、中小企業活性化協議会などから支援を受け、応募申請時において以下のいずれかに該当している事業者を指します。
③災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」4
事業継続力強化計画の認定とは、中小企業が策定した防災や減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度です。
④賃上げ加点等:次のいずれかに該当する場合には、賃上げ加点等の対象となります。
1事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者
2事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者
3被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む事業者
以上の審査項目等をご確認いただくことで、ものづくり補助金の採択を勝ち取る確率が大幅に上がります。審査項目のすべてを満たさなければならない訳ではありませんが、可能な限り審査項目に沿ったうえで、加点項目をより多く満たせるよう、ポイントを抑えて申請書を作成する必要があります。
今回は、ものづくり補助金がどのようなポイントで審査されるのか、どのように加点されるのかをご紹介いたします。
ものづくり補助金の審査は、第一段階として、ものづくり補助金の「申請要件」を満たしているかの確認が行われます。そして、申請要件を満たした事業者は、次に挙げる様々な観点から採点され、点数が高い事業者は、より採択される可能性が高くなります。
審査項目
これらの項目は、すべて公募要領に明記されているため、熟読し、申請書はこの審査項目の内容に完全に準拠することが採択への近道となります。
15次締切分の公募要領に掲載されている審査項目・加点減点項目は以下の通りです。
A.技術面
のためのガイドライン」又は「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指
針」に沿った取組であるか。
② 試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
③ 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
④ 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか。
B.事業化面
② 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。
C.政策面
※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。
○地域未来牽引企業
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html
○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画
https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html
② ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
③ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。
○アトツギ甲子園
https://www.meti.go.jp/press/2022/11/20221104008/20221104008.html
④ 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイベーションを牽引し得るか。
⑤ ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換、事業環境の変化に対応する投資内容であるか。また、成長と分配の好循環を実現させるために、有効な投資内容となっているか。
D. 炭素生産性向上の取組等の妥当性(グリーン枠のみ。【様式3】を元に審査します。)
② 炭素生産性を向上させるための取組内容が具体的に示されており、その算出根拠、効果が妥当なものとなっているか。
③ 設備投資の効果が定量的に示されており、その算出根拠が妥当なものとなっているか。また、本事業の目標に対する達成度の考え方、見込みが明確に設定されているか。
④ 温室効果ガスの排出削減、エネルギー消費削減等に資する継続的な取組が実施されているか。
E. グローバル市場開拓の取組等の妥当性(グローバル市場開拓枠のみ。事業計画書を元に審査します。)
② 事前の十分な市場調査分析を行った上で、国際競争力の高い製品・サービス開発となっているか。
③ 国内の地域経済に寄与するものであるか。また、将来的に国内地域での新たな需要や雇用を創出する視点はあるか。
④ ブランディング・プロモーション等の具体的なマーケティング戦略が事業計画書に含まれているか。(②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ
F. 大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性(大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例のみ。【様式4】を元に審査します。)
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来に渡り、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。また、人件費だけでなく、設備投資等に適切に充当し、企業の成長が見込めるか。
③ 将来に渡って企業が成長するため、従業員間の技能指導や外部開催の研修への参加、資格取得促進等、従業員の部門配置に応じた人材育成に取り組んでいるか。また、従業員の能力に応じた人事評価に取り組んでいるか。
④ 人事配置等の体制面、販売計画等の営業面の強化に取り組んでいるか。
「加点項目」
② 政策加点:
②-1:「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
※ 会社成立の年月日(個人事業主の場合は開業日)又は代表取締役の就任日が公募開始日より5年前の日から応募締切日までの場合に対象となります。なお、個人事業主や組合にあっては「第二創業」の加点はありません。個人事業主の営む事業を承継する場合は、承継者の「創業」として申請してください。
②-2:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
※ 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp/index.html)において宣言を公表している事業者。(応募締切日前日時点)
②-3:再生事業者(本事業における再生事業者の定義は別紙4の通り)
②-4:デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
a.デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識、その内容について公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
b.上記a.を踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルを策定・公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最
高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表
※ホームページの URL と掲載場所等を記載いただきます。
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690 行目/Ver.2.3 以降の場合はシート「IT システム構築の取組状況(定量指標)」の 11~13 行目)を全て記載
E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」※を利用している
か。
※独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービス https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/otasuketai/#list
②-5:令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者
※健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト(https://www.kenko-keiei.jp/)
➁⁻6:技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
②-7:J-Startup、J-Startup 地域版に認定された事業者
※J-Startup 事務局ポータルサイト(https://www.j-startup.go.jp/)
J-Startup 地域版(https://www.j-startup.go.jp/local_3/)
②-8:「新規輸出 1 万者支援プログラム」に登録した事業者(グローバル市場開拓枠のうち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ)
※応募締切日前日時点で「新規輸出 1 万者支援プログラム」ポータルサイト
(https://www.jetro.go.jp/ichiman-export.html)において ID を取得している事業者。
※ 申請者が上記プログラムに登録されているか否かの事実確認を行うことを目的として、本補助金の申請に関する情報を独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)と共有することがあります。
②-9:取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者(グリーン枠のみ)
③ 災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」
④ 賃上げ加点等:
④-1: 事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額と事業場内最
低賃金をそれぞれ以下(ア)もしくは(イ)の通りとする計画を有し、事務局に誓約書を
提出している事業者に対して加点を行ないます。
④ -2:「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り
組む場合」
⑤ ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点
⑤-1: 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「える
ぼし認定」を受けている事業者、もしくは従業員 100 人以下の事業者で「女性の活躍推進
企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)
⑤-2:次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業
者、もしくは従業員 100 人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
※厚生労働省「両立支援のひろば」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/search_int.php)
※ 通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、グローバル市場開拓枠(②海外市場開拓(JAPANブランド)類型を除く)については最大6項目の加点が可能。
※ デジタル枠については最大6項目の加点に加え、デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況にある6項目を加えた計12項目の加点が可能。
※ グリーン枠については最大6項目の加点に加え、取引先の事業者がグリーンに係る取組を宣言している事業者の計7項目の加点が可能。
※ グローバル市場開拓枠②海外市場開拓(JAPANブランド)類型については最大6項目の加点に加え、「新規輸出 1 万者支援プログラム」に登録した事業者の計7項目の加点が可能。
※ 加点項目の一部については、エビデンスとなる添付書類を提出していただきます。
※ 審査の結果、各要件に合致した場合にのみ加点されます。
「減点項目」
※令和元年度補正・令和2年度補正・令和3年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 ものづくり補助金に1度受かっている場合は、減点措置の対象となります。
②回復型賃上げ・雇用拡大枠において、繰越欠損金によって課税所得が控除されることで申請要件を満たしている
交付決定を受けた事業者に対する「減点」や「対象外」は、「交付決定の取り消し」となった場合や「交付決定後に事業の廃止」を申請した場合でも、すべて該当いたします。
なお、汎用性のあるA~Cのポイントをまとめると以下の通りとなります。
A.技術面
・新商品や新サービスは革新的な取り組みか
・課題が明確で、課題を解決させる事業であるか
・課題解決方法そのものが、他社と差別化されているか・他社と比べて優れているか。
・事業に取組むために必要な技術や、役に立つ要素はあるか
B.事業化面
・人材・財務状況は十分か
・新事業のマーケティングができているか
・無理なく事業を行えるスケジュールか
・コストパフォーマンスは高いか
C.政策面
・地域貢献できる事業か
・ニッチな分野で高いシェアを確保できるか
・難しい課題について外部と協力し解決できるか
・新しいデジタル技術やビジネスモデルを活用しているか
・アフターコロナ・ウィズコロナに対応した事業か
また、加点項目については以下に解説します。
① 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
経営革新計画とは、中小企業が「新事業活動」に取り組み「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書であり、一定の要件を満たすことで都道府県から承認を得ることが可能です。
② 政策加点:「創業・第二創業まもない事業者(5年以内)」
:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
:「再生事業者」
:「デジタル技術の活用及びDX推進の取り組み状況」
:「令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者」
なお、「パートナーシップ構築宣言」とは、サプライチェーン全体の共存共栄と規模や系列を越えた新たな連携などをした事業者が、政府に対して宣言をする制度のことです。
また、再生事業者とは、中小企業活性化協議会などから支援を受け、応募申請時において以下のいずれかに該当している事業者を指します。
③災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」4
事業継続力強化計画の認定とは、中小企業が策定した防災や減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度です。
④賃上げ加点等:次のいずれかに該当する場合には、賃上げ加点等の対象となります。
1事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者
2事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者
3被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む事業者
以上の審査項目等をご確認いただくことで、ものづくり補助金の採択を勝ち取る確率が大幅に上がります。審査項目のすべてを満たさなければならない訳ではありませんが、可能な限り審査項目に沿ったうえで、加点項目をより多く満たせるよう、ポイントを抑えて申請書を作成する必要があります。
著者
小林 卓矢
シェアビジョン株式会社代表取締役
1979年5月生まれ。 2002年に明治学院大学卒業後、株式会社エフアンドエム(東証JASDAQ上場)へ入社。 事業本部長として、中小企業向けに事業計画策定による金融支援から各種補助金申請のコンサルティングサービスの新規事業を立ち上げ、ものづくり補助金では2000社以上の企業を支援する。経済産業省主催の中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン策定検討会に検討委員として、ガイドライン策定にも関与。 入社当初の起業の目標を実現すべく、2017年5月にシェアビジョン株式会社を設立し、現在に至る。