グリーン枠にエントリー・アドバンスが追加!その補助上限金額は?

2023/02/22
ものづくり補助金の申請枠である「グリーン枠」の概要や補助上限額、補助率について解説します。令和4年度2次補正予算で内容が大幅に変更され、補助上限金額も大幅に拡大されたため、グリーン枠での申請を検討されている方は必見です。
ものづくり補助金の申請において、補助金額はいくらになるのか、申請における要件など参考にしてみてください。

【ものづくり補助金】グリーン枠の補助金額

グリーン枠は、温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。
今回の令和4年度2次補正予算では、温室効果ガスの排出削減に資する取り組みの段階に応じ、3段階の補助上限額が設定されました。

【補助金額と補助率】

仮に、従業員10人以下の事業者(製造業)が3,000万円の設備投資を行い、エントリー類型で申請する場合、
3,000万円×2/3(補助率)=2,000万円
10人以下の場合、補助上限額の1,000万円が適用され、補助金額は1,000万円となります
14次公募から大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例が追加され、グリーン枠も該当します。補助上限を従業員数に応じて、100万円、250万円、1,000万円引き上げが可能です。ただし、各申請枠の補助上限額に達していない場合は活用不可となります。

【ものづくり補助金】グリーン枠の要件

グリーン枠の注意点

〈単なるグリーン製品の導入は該当しない〉
要件①の1)では、AI・IoT、センサー、グリーン技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発を例に挙げられています。
2)では、AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等が挙げられています。
そのため、帳票の電子保存システムや電子契約書サービスのように、単にグリーン製品の導入やアナログ・物理データの電子化に留まり、既存の業務フローそのものの見直しを伴わないもの、電子化に留まる製品やサービスの開発は該当しません。

〈要件②③どちらも満たさなければ不採択となる〉
自己診断結果をIPAに対して提出し、「SECURITY ACTION」の宣言を行っていることが必須の要件です。そのため、提出がされていなければグリーン枠では要件不備となり不採択となるため、注意が必要です。
〈加点や補助対象経費の拡大もあり〉
取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者には審査の際に加点が行われます。
また、グリーン枠であれば、機械装置の撤去費用についても補助対象経費に含まれます(ただし、撤去費用が中古販売収入を上回る場合のみ)。

温室効果ガス削減の取組に応じた支援メニューや支援額も拡大しているため、グリーン成長戦略に進出しやすく、強化が図られる傾向が見られます。

ものづくり補助金の申請を検討されている方は、どの申請枠が適切か見極める必要があります。申請においてお困りでしたら認定支援機関にご相談ください。
著者

小嶋 潤

シェアビジョン株式会社