ものづくり補助金の申請において、補助金額はいくらになるのか、申請における要件など参考にしてみてください。
【ものづくり補助金】グリーン枠の補助金額
今回の令和4年度2次補正予算では、温室効果ガスの排出削減に資する取り組みの段階に応じ、3段階の補助上限額が設定されました。
【補助金額と補助率】
類型 | 従業員数 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|---|
エントリー | 5人以下 | 100万円~750万円 | 2/3 |
6人~20人 | 100万円~1,000万円 | ||
21人以上 | 100万円~1,250万円 | ||
スタンダード | 5人以下 | 100万円~1,000万円 | |
6人~20人 | 100万円~1,500万円 | ||
21人以上 | 100万円~2,000万円 | ||
アドバンス | 5人以下 | 100万円~2,000万円 | |
6人~20人 | 100万円~3,000万円 | ||
21人以上 | 100万円~4,000万円 |
仮に、従業員10人以下の事業者(製造業)が3,000万円の設備投資を行い、エントリー類型で申請する場合、
3,000万円×2/3(補助率)=2,000万円
10人以下の場合、補助上限額の1,000万円が適用され、補助金額は1,000万円となります
【ものづくり補助金】グリーン枠の要件
基本要件 | 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加 |
---|---|
事業計画期間において、事業場内最低賃金を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする | |
事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加 | |
グリーン枠の追加要件 | ①次の1)または2)に該当する事業 |
②3~5年の事業計画期間内に事業場単位又は会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること |
エントリー類型の追加要件 |
---|
以下のいずれかを満たすこと |
スタンダード類型の追加要件 |
エントリー類型の追加要件を全て満たし、以下のいずれかを満たすこと |
アドバンス類型の追加要件 |
エントリー類型の追加要件を全て満たし、スタンダード類型の追加要件のうち2つ以上を満たし、以下のいずれかを満たすこと |
グリーン枠の注意点
要件①の1)では、AI・IoT、センサー、グリーン技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発を例に挙げられています。
2)では、AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等が挙げられています。
そのため、帳票の電子保存システムや電子契約書サービスのように、単にグリーン製品の導入やアナログ・物理データの電子化に留まり、既存の業務フローそのものの見直しを伴わないもの、電子化に留まる製品やサービスの開発は該当しません。
〈要件②③どちらも満たさなければ不採択となる〉
自己診断結果をIPAに対して提出し、「SECURITY ACTION」の宣言を行っていることが必須の要件です。そのため、提出がされていなければグリーン枠では要件不備となり不採択となるため、注意が必要です。
〈加点や補助対象経費の拡大もあり〉
取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者には審査の際に加点が行われます。
また、グリーン枠であれば、機械装置の撤去費用についても補助対象経費に含まれます(ただし、撤去費用が中古販売収入を上回る場合のみ)。
温室効果ガス削減の取組に応じた支援メニューや支援額も拡大しているため、グリーン成長戦略に進出しやすく、強化が図られる傾向が見られます。
ものづくり補助金の申請を検討されている方は、どの申請枠が適切か見極める必要があります。申請においてお困りでしたら認定支援機関にご相談ください。
小嶋 潤
シェアビジョン株式会社
神奈川県横浜市生まれ。 大学では経営法を専攻し、マーケティングを中心に学ぶ。 自分自身さらに経営・マーケティングについて学びたいという気持ちからシェアビジョン株式会社に新卒で入社。 入社後は、中小企業に寄り添ったご支援・ご提案をしたいという一心で、 ファイナンシャルプランナー2級技能士の資格も取得し、財務等多角的な視点でサポートしている。