ものづくり補助金を申請する際に、事業計画において事業分野に応じて関連性を示す必要があり、審査における重要な項目です。この記事ではそのうちのものづくり高度化指針「デザイン開発に係る技術」について説明します。「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」とは
「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針(ものづくり高度化指針)」とは、製造業における特定ものづくり基盤技術の観点から、研究開発に取り組む中小企業が参考とできるように今後社会で求められる技術の方向性及び具体的な開発手法の情報について明示されたものです。
これは12分野あり、製造業の場合はこの12分野のうちいずれかに該当します。事業計画では各項目で示された課題やニーズ、高度化目標に対応した事業であると説明する必要があります。
「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」 特定ものづくり基盤技術 12分野 |
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①デザイン開発に係る技術 | ⑦表面処理に係る技術 |
②情報処理に係る技術 | ⑧機械制御に係る技術 |
③精密加工に係る技術 | ⑨複合・新機能材料に係る技術 |
④製造環境に係る技術 | ⑩材料製造プロセスに係る技術 |
⑤接合・実装に係る技術 | ⑪バイオに係る技術 |
⑥立体造形に係る技術 | ⑫測定計測に係る技術 |
デザイン開発に係る技術とは、製品の審美性のみならず、ユーザーが求める価値、使用によって得られた新たな経験の実現・経験の質的な向上等を追求することにより、製品自体の優位性に加え、製品と人、製品と社会との相互作用的な関わりも含めた価値創造に繋がる総合的な設計技術です。
デザインの優劣によって製品の売上が大きく変化する等、マーケットに直接影響を与え得る重要性の高い技術であり、製品の形状・質感の改善や操作性・安全性の向上による個々の製品としての機能向上に加えて、製品とユーザーとの関係性や心地良さ、使用環境との調和を分析することで、製品とユーザーとの新たな関係の提案による生活スタイルの革新、製品とサービスの融合による新しいビジネスモデルの創出等、コトづくりへの波及効果があります。
デザイン開発技術の高度化を進めるにあたって、常に市場ニーズを意識し、最終的な製品として利用される場面を見越した設計を検討するとともに、求めるリソースを持つ者と任意に連携しながら製品開発を促進する
IoT、AI等の活用によって、課題を解決し、デザイン開発に係る技術の高度化やそれに関連した新たなサービスの創出、更なる技術の高度
計測機器等により生成されたデジタルデータを元に、3Dプリンタやレーザ加工機等の工作機械で復元・製造するデジタルファブリケーションによって、将来的には個人が企画・デザインを設計し、製品化する
審美性・感性価値の向上
ユーザーが求める価値・経験の実現
製品・サービスのユーザビリティ
製品の安全性・品質の安定性
環境負荷への対応
ブランド化
審美性・感性価値の向上
ユーザーが求める価値・経験の実現
製品・サービスのユーザビリティ向上
製品の安全性・品質の安定性の向上
環境負荷の低減
ブランド化
IoT、AI等によるデータ利活用の推進
その他、医療、環境、航空宇宙、衣料品、自動車、スマートホーム、ロボットの分野においても課題及びニーズ、高度化目標も明記されています。
ものづくり補助金において、以上の課題や高度化目標に合った取り組みであるのかが問われます。これらを確認して事業計画内に明記するようにしましょう。
ものづくり補助金の事業計画書作成について疑問点がある場合、認定経営革新等支援機関に相談してみてはいかがでしょうか。