2023年3月30日に公募開始となった第10回公募から、新たな枠の創設やグリーン成長枠の拡充など「事業再構築補助金」が大きく変わります。この記事では、第10回公募からの主な変更点である「成長枠の創設」について、説明します。
第10回公募の変更点は以下の通りです。
変更点 |
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1.成長枠の創設 | 5.サプライチェーン強靭化枠の創設 |
2.グリーン成長枠の拡充 | 6.業況が厳しい事業者への支援 |
3.大幅賃上げ・規模拡大へのインセンティブ | 7.一部申請類型における複数回採択 |
4.産業構造転換枠の創設 | |
1.成長枠の創設
「成長枠」とは、成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を支援する申請枠です。第9回公募までの「通常枠」が見直され、「成長枠」に変更となりました。売上高減少要件が撤廃され、給与支給総額の増加要件がつくなど、申請要件も大きく変わっています。
経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していることなど(撤廃)
事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加
取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
・補助上限額・補助率従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
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20人以下 | 2,000万円 | 【中小企業】1/2 (大規模な賃上げ※を行う場合2/3) 【中堅企業】1/3 (大規模な賃上げ※を行う場合1/2) |
21~50人 | 4,000万円 |
51~100人 | 5,000万円 |
101人以上 | 7,000万円 |
仮に、従業員数34名の事業者が6,800万の設備投資を行った場合、
6,800万円×1/2(補助率)=3,400万
21~50人の場合、補助上限額の4,000万円が適用され、
補助金額は3,400万円となります
第10回公募から、「事業再構築補助金」は大きく変わります。事業再構築補助金の申請を検討されている方は、どの申請枠が適切か見極める必要があるため、申請においてお困りでしたら、認定支援機関にご相談ください。