成長加速マッチングサービス、登録してみた!

2025/02/04

はじめに

3月リリースの予定で、事業者の先行登録が始まっている成長加速マッチングサービスに、当社も支援を求める一事業者として登録してみました。1月10日に公募開始となった事業再構築補助金第13回公募の加点項目として新たに加わった成長加速マッチングサービスですが、詳細についてはこちらの記事でも解説しています。この記事では、実際に登録してみてわかったこと等をお伝えします。

成長加速マッチングサービス登録手順① 会員登録

登録のステップは、3つです。
GビズIDでログインすると、利用規約が表示され、承諾すると、会員登録がスタートします。ここでは、会社名や住所等の基本情報を入力します。入力項目は以下の通りです。
入力項目は、GビズID登録情報が自動転記されて、自動で表示されますが、この登録ページでの編集も可能になっています。

成長加速マッチングサービス登録手順② 挑戦課題

会員登録後は、挑戦課題登録を行います。課題を1件以上登録しないと、支援者とのマッチングは行われません。公開できる件数は5件までとなっています。

挑戦課題の登録でプルダウン選択できる項目は、「資金調達」「事業承継(後継者あり)」「事業承継(後継者なし)」「経営相談」となっています。

プルダウンを選択すると、それぞれの質問項目が表示されます。

挑戦課題 「資金調達」
事業再構築補助金の活用を検討している事業者は、「資金調達」の課題をお持ちの方が多いかもしれませんね。

補助金は、原則後払いです。

補助金制度の活用では、採択されてから、設備の発注をすることになりますが、納品されて検収後に支払いをする時には、まだ補助金は入金されていません。補助金が受け取れるのは、支払いを終え、テスト加工等を行って実績報告書を提出し、補助金確定後、精算払請求を行った後になります。そのため、設備の導入にかかる費用は、自己負担分だけでなく、補助金で受け取る分も、一度は支払う必要があることを覚えておきましょう。

「資金調達」を選択した場合に表示される、質問項目は、「新規事業の立ち上げ」「設備投資」「販路拡大」「人材の確保・採用」「技術・研究開発」「その他」となっています。

次に、IPO(新規公開株式)の希望の有無について選択します。

続いて、挑戦課題のタイトル(50文字まで)と資金調達の目標・詳細(500文字まで)を入力します。

その後、資金調達の希望額、資金調達の希望時期、資金調達実績のあるなしを入力し、公開範囲を選択します。公開範囲は、挑戦課題毎に設定できます。


挑戦課題 「事業承継」
事業承継の課題についての挑戦課題は、後継者ありと後継者なしで、入力する項目が変わってきます。

後継者がいる場合の挑戦課題の選択肢は、「事業承継戦略に関する相談」「事業承継に係る資金調達に関する相談」「法務および税務に関する相談」「後継者育成に関する相談」「その他」となっています。

後継者がいない場合の挑戦課題の選択肢は、「事業引き継ぎ(M&Aおよび第三者への承継)」「事業承継(役員・従業員)」「親族承継」「企業評価に関する相談」「その他」となっています。

続いて、挑戦課題のタイトル(50文字まで)と資金調達の目標・詳細(500文字まで)、事業継承の希望時期を入力します。

後継者がいる場合には、後継者との関係、後継者の関係事業での経歴・スキル(500文字まで)を入力します。

その後、事業承継・引き継ぎ支援センターとの連携についての質問があります。

事業承継・引き継ぎ支援センターとは、国が設置する事業承継に関する公的相談窓口で、各都道府県に設置されています。中小企業の事業承継に関するあらゆる相談に原則無料で対応しており、親族内への承継と第三者への引継ぎ、どちらの場合でも相談できます。

ここでは、入力情報を「事業承継・引継ぎ支援センターのみに連携する」「事業承継・引継ぎ支援センターとその他支援機関とも連携する」「支援機関と連携する(事業承継・引継ぎ支援センターとは連携しない)」のいずれかを選択します。

事業承継・引継ぎ支援センターとの連携を希望すると、選択したセンターに連絡先情報が開示され、センターの担当者から連絡が来るという流れになります。


挑戦課題 「経営相談」
経営相談を選択した場合の具体的な挑戦課題は、以下の通りです。

「経営戦略(経営知識、事業計画作成、施策活用)」
「組織・人事(雇用・労務、人材育成・確保、法律)」
「マーケティング・流通(販路開拓、広報戦略、デザイン、市場設定、物流戦略)」
「財務・会計(資金繰り、経営改善)」
「生産・技術(技術開発、商品開発、現場改善・生産性向上、品質管理)」
「IT関連(IT活用による情報発信、内部管理)」

課題を選択後、IPO(新規公開株式)の希望の有無を選択し、挑戦課題のタイトル(50文字まで)と資金調達の目標・詳細(500文字まで)を入力します。また、挑戦課題解決の希望時期、公開範囲を入力します。

成長加速マッチングサービス登録手順③ 追加情報

最後の追加情報については、任意での登録になります。登録内容が充実している方が、より希望にマッチする支援者からのコンタクトが届きやすくなりますが、登録としては、ここの部分は入力しなくても完了できます。

ここでは、直近3年分の財務情報(売上高及び営業利益)、事業概要(500文字まで)、その他のアピールポイント(500文字まで)を入力できます。

その他のアピールポイントの入力欄の下には、生成AIで生成された文章が表示されています。このサービスは、GビズIDでログインするため、過去に同じGビズIDで申請した補助金があれば紐づけられて、その申請内容を元に生成文が表示されます。

特徴タグは、最大10個まで登録できます。支援者に見つけてもらいやすいよう、判断材料となる情報を登録しましょう。特徴タグについても、生成AIによる提案タグが表示されます。

生成AIでの入力サポート機能、「何を書けばよいか悩んで先に進まない」という人にとって、とても便利な機能と言えそうです。これから、他のさまざまなところでも目にする機会が増えるかもしれませんね。

相談先についても任意での入力になっているため、入力しなくても問題ありません。登録すると、支援者からコンタクトがあった際に相談先のメールアドレスにも通知が届きます。必ず相談先の同意を得てから登録するよう、注意書きがあります。

事業再構築補助金で加点として活用する際の注意点

成長加速マッチングサービスへの登録は、事業再構築補助金第13回公募の加点項目になっています。

加点項目として活用するためには、申請時にステータスが「掲載中」となっている必要があります。登録したら、採択結果が発表されるまで「掲載終了」ボタンを押さないように注意しましょう。

成長加速マッチングサービスは、必要な資格や認定等の要件は課されておらず、自社の状況を登録して支援者向けに公開するだけで、登録することができます。加点項目として活用しやすいということは、同時に、他の多くの事業者の登録も見込まれるということでもあります。

補助金の採択不採択は、申請内容の審査による点数と加点減点での合計点数で決まります。他の事業者の多くが取得する加点項目を取得しないと不利になるため、このサービスへの登録は必須と思ってもよいかもしれません。

まとめ

当社は、認定経営革新等支援機関として支援者にもあたりますが、今回は、資金調達の支援を希望する中小企業の一事業者として、成長加速マッチングサービスに登録してみました。

現在は事前登録受付のみですが、サービスリリース後に、情報を見た支援者から興味のある事業者へメッセージ付きコンタクトが送られるようです。サービスのリリースは3月ということで、ここからどの程度のコンタクトが送られてくるのかは分かりませんが、楽しみに待ちたいと思います。

当社では、事業再構築補助金の採択に有利になるよう加点項目の取得に関するアドバイスから支援しています。第13回公募への申請を検討している事業者の方は、ぜひ一度、ご相談ください。
著者

事業再構築補助金編集部