事業再構築補助金の申請書類の中心となる事業計画書について解説します。
事業計画書は、A4サイズ15枚以内(補助金額1500万円以下の場合は 10枚以内)と決められているだけで、特に様式は定められていません。公募要領には記載事項が列挙されているだけなので、どういったことを書いたら良いか戸惑われるかもしれません。
記入項目
まず、事業計画作成における記入すべき事項は以下のとおりです。
1.補助事業の具体的な取組
2.将来の展望
3.本事業で取得する主な資産
4.収益計画
これらの内容を15枚以内(補助金額1500万円以下の場合は10枚以内)にまとめる必要があります。
具体的に見ていきましょう。
1:補助事業の具体的な取組
自社の概要や補助事業で実施する事業内容について記載します。
現在の事業の状況、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構 築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実 施する新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組について具体的に記載します。
また、補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に記載してください。
2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等に ついて、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や課題やリスクとその解決方法などを記載してください。
また、本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の 価格等について簡潔に記載してください。
3.本事業で取得する主な資産
本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、 分類、取得予定価格等を記載してください。
4. 収益計画
本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画等について具体的に記載してください。 また、収益計画(表)における「付加価値額」の算出については、算出根拠を記載します。なお、収益計画(表)で示された数値は、補助事業終了後も、毎年度の事業化状況等報告等において伸び率の達成状況の確認を行います。
そもそも、事業再構築補助金の目的は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。
具体例としては以下のようなものがあります。
―飲食店の場合―
喫茶店経営:飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施する。
居酒屋経営:オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応する。
―サービス業の場合―
高齢者向けデイサービス:一部の事業を他社に譲渡。病院向けの給食、事務等の受託サービスを新規に開始する。
―製造業の場合―
半導体製造装置部品製造:半導体製造装置の技術を応用した洋上風力設備の部品製造を新たに開始する。
などが挙げられます。
製造工程の内製化
そこで製造業からは、これまで外注していた製造工程の内製化は、事業再構築補助金の申請理由として適切か、という質問があります。この回答として参考になるのは、事業再構築補助金サイト内のよくある質問の【業態転換、事業再編】に掲載されています。「内製化は「製造方法等の新規性要件」に該当するか」という問いに対し、「満たしうると考えられます」と掲載されています。
改めて業態転換における製造方法等の新規性要件を確認すると、
1) 過去に製造した実績がないこと
2) 主要な設備を変更すること
3) 定量的に性能又は効能が異なること とされています。
これらの新規性要件に関する3つの事項を順に見ていくと、
「1)過去に同じ方法で製造等をしていた実績がないこと」については、過去に内製化していた実績がなければ、クリアできるでしょう。
例えば、創業から同じ製品やサービスを提供し続けている企業で、資金や人的体制の制約から、その一部を外注としたのがそのまま続いていたのを今回、内製化する場合などが考えられます。
「2)新たな製造方法等に用いる主要な設備等を変更すること」については、1)の事例で、製造設備やサービス提供のための装置を新規導入するのであれば、クリアできると考えられます。
ただし、社内の生産体制の改善により、既存施設の稼働率が下がり余裕が出たので、外注品について既存設備を使用して内製化するといった場合は、クリアできません。
「3)定量的に性能又は効能が異なること」については、自社生産のデータを時系列でしっかり把握していれば、数字で示すことは可能と考えられます。
その他、製品の新規性要件として、過去に製造した実績がないことという点がクリアできれば、申請要件を満たします。
その内容を補助事業の具体的な取組に盛り込んだうえで、将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)や収益計画を明確に示すことにより、申請できると考えられます。
事業計画書は、A4サイズ15枚以内(補助金額1500万円以下の場合は 10枚以内)と決められているだけで、特に様式は定められていません。公募要領には記載事項が列挙されているだけなので、どういったことを書いたら良いか戸惑われるかもしれません。
記入項目
まず、事業計画作成における記入すべき事項は以下のとおりです。
1.補助事業の具体的な取組
2.将来の展望
3.本事業で取得する主な資産
4.収益計画
これらの内容を15枚以内(補助金額1500万円以下の場合は10枚以内)にまとめる必要があります。
具体的に見ていきましょう。
1:補助事業の具体的な取組
自社の概要や補助事業で実施する事業内容について記載します。
現在の事業の状況、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構 築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実 施する新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組について具体的に記載します。
また、補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に記載してください。
2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等に ついて、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や課題やリスクとその解決方法などを記載してください。
また、本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の 価格等について簡潔に記載してください。
3.本事業で取得する主な資産
本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、 分類、取得予定価格等を記載してください。
4. 収益計画
本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画等について具体的に記載してください。 また、収益計画(表)における「付加価値額」の算出については、算出根拠を記載します。なお、収益計画(表)で示された数値は、補助事業終了後も、毎年度の事業化状況等報告等において伸び率の達成状況の確認を行います。
そもそも、事業再構築補助金の目的は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。
具体例としては以下のようなものがあります。
―飲食店の場合―
喫茶店経営:飲食スペースを縮小し、新たにコーヒー豆や焼き菓子のテイクアウト販売を実施する。
居酒屋経営:オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応する。
―サービス業の場合―
高齢者向けデイサービス:一部の事業を他社に譲渡。病院向けの給食、事務等の受託サービスを新規に開始する。
―製造業の場合―
半導体製造装置部品製造:半導体製造装置の技術を応用した洋上風力設備の部品製造を新たに開始する。
などが挙げられます。
製造工程の内製化
そこで製造業からは、これまで外注していた製造工程の内製化は、事業再構築補助金の申請理由として適切か、という質問があります。この回答として参考になるのは、事業再構築補助金サイト内のよくある質問の【業態転換、事業再編】に掲載されています。「内製化は「製造方法等の新規性要件」に該当するか」という問いに対し、「満たしうると考えられます」と掲載されています。
改めて業態転換における製造方法等の新規性要件を確認すると、
1) 過去に製造した実績がないこと
2) 主要な設備を変更すること
3) 定量的に性能又は効能が異なること とされています。
これらの新規性要件に関する3つの事項を順に見ていくと、
「1)過去に同じ方法で製造等をしていた実績がないこと」については、過去に内製化していた実績がなければ、クリアできるでしょう。
例えば、創業から同じ製品やサービスを提供し続けている企業で、資金や人的体制の制約から、その一部を外注としたのがそのまま続いていたのを今回、内製化する場合などが考えられます。
「2)新たな製造方法等に用いる主要な設備等を変更すること」については、1)の事例で、製造設備やサービス提供のための装置を新規導入するのであれば、クリアできると考えられます。
ただし、社内の生産体制の改善により、既存施設の稼働率が下がり余裕が出たので、外注品について既存設備を使用して内製化するといった場合は、クリアできません。
「3)定量的に性能又は効能が異なること」については、自社生産のデータを時系列でしっかり把握していれば、数字で示すことは可能と考えられます。
その他、製品の新規性要件として、過去に製造した実績がないことという点がクリアできれば、申請要件を満たします。
その内容を補助事業の具体的な取組に盛り込んだうえで、将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)や収益計画を明確に示すことにより、申請できると考えられます。
著者
船着 貴弘
シェアビジョン株式会社取締役
1976年12月生まれ。 2000年立命館大学卒業後、株式会社エフアンドエム入社(東証JASDAQ上場)。主に税理士・公認会計士向けサービスの営業企画部門担当及びファイナンシャル・プランナー(FP)部門担当。真の顧客のためのアドバイスや金融商品の取扱いを広めることに社会的意義を見出す。その後、FP部門の譲渡に伴い、2015年に譲渡先である総合保険代理店へ。保険代理店においても、継続しFP部門担当を務めるとともに、業務基幹システムの導入等を経営企画室にて行う。2017年に総合保険代理店を退社し、シェアビジョン株式会社取締役に就任。現在に至る。