事業再構築補助金 2021年で終わる?2022年度の後継制度は?

2021/12/27
 令和3年11月26日、令和3年度補正予算案が閣議決定され、事業再構築補助金については、令和4年度も引き続き継続することが決定しました。令和3年度補正予算案額は 6,123億円です。これにより、令和4年には第6回公募~、合わせて3回程度の公募を実施予定となっています。
 しかし、そのまま継続されるのではなく、制度概要の一部が見直されています。
 
 以下、第5回以降の制度の概要について、見直しが検討されている内容を解説します。

1)売上高10%減少要件の緩和(第6回より)
 売上高10%減少要件について、「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること」を撤廃し、「2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」のみを要件とするよう要件を緩和されます。

2)回復・再生応援枠の新設(第6回より)
 引き続き業況が厳しい事業者(※1)や事業再生に取り組む事業者(※2)を対象とした申請類型を新設し、最大1,500万円(※ 3)まで、補助率を3/4に引上げ(通常枠は2/3)手厚く支援します。また、主要な設備の変更を求めている要件を課さないこととし、事業再構 築に取り組むハードルを緩和します。
 なお、これに伴い緊急事態宣言特別枠は廃止されます。
(※1)2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%減少 
(※2)再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定(詳細な要件は検討中) 
(※3)従業員規模に応じ、500万円、1,000万円又は1,500万円

3)グリーン成長枠の新設(第6回より)
 グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象(※)に、補助上限額を最大1.5億円まで引き上げた(従来は1 億円)新たな申請類型が創設されます。グリーン成長枠は売上高10%減少要件を課しません。なお、これに伴い卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止されます。
(※)事業再構築の内容が、グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、 研究開発・技術開発又は人材育成をあわせて行うことで、付加価値額年率5.0%以上(通常枠は3.0%以上)の増加を目指す場合

4)通常枠の補助上限額の見直し(第6回より)
 限られた政策資源でより多くの事業者を支援するため、通常枠の補助上限額について、従業員規模に応じ、従来の4,000万円、6,000万 円、8000万円から2,000万円、4,000万円、6,000万円、8000万円に見直されます。

5)その他運用改善等
1.最低賃金枠、大規模賃金引上げ枠は維持し、賃上げに取り組む事業者の生産性向上について、引き続き強力に支援します。

2.事業再構築で新たに取り組む事業の売上高が、総売上高10%以上となる事業計画を策定することを求めている要件について、付加価値額の15%以上でも認めることとします。また、売上高が10億円以上の事業者であって、事業再構築を行う事業部門の売上高が3 億円以上である場合には、当該事業部門の売上高の10%以上でも要件を満たすこととします。

3.補助対象経費の見直し(建物費・研修費)(第6回より)
・「建物費」については、原則、改修の場合に限ることとし、新築の場合には、一定の制限を設けます。
・「研修費」については、補助対象経費総額の1/3を上限とします。

4.補助対象経費の見直し(貸工場賃借料)(第6回より)
補助事業実施期間内に工場の改修等を完了して貸工場から退去することを条件に、貸工場の賃借料についても補助対象経費として認められます。なお、一時移転に係る費用(貸工場の賃借料、貸工場への 移転費等)は補助対象経費総額の1/2を上限とします。

5.複数企業等連携型の新設(第6回より)
1者あたり各申請類型の上限額を上限として、最大20社まで連携して申請することが認められ、一 体的な審査が行われます。
この場合、売上高10%減少要件は、
 -1-各者で要件を満たすこと
 -2-連携体合算で要件を満たすこと(ただし同月を用いる)のいずれかを満たすことで要件を満たすこととします。

6.事前着手の対象期間の見直し(第6回より)
事前着手の対象期間は、現在2021年2月15日以降とされています。その期間が見直されます。
 (注)既に事前着手を開始している事業者の方は、第6回公募以降は対象経費として認められなくなる場合がありますのでご注意ください。

以上のような変更点が検討されております。

また、令和3年11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」においては、
「コロナ禍では、これまで進んでこなかったデジタル化が急速に進むなど、社会の変化の兆しが表れている。また、2050年カーボンニュートラルの 実現に向け、積極的な温暖化対策を通じて、産業構造や社会構造の変革をもたらし、大きな成長につなげていくことは喫緊の課題である。こうしたデジタル、クリーンエネルギーに加え、人工知能、量子、バイオ、宇宙等の先端技術やイノベーションに関わる投資、さらには、「人」へ の思い切った投資を行うことにより、生産性を引き上げていくことが「成長と分配の好循環」を実現する上で必要不可欠である」とされており、引き続き事業再構築補助金の継続を通して、企業の思いきった事業の再構築を支援していく旨が謳われています。
著者

小林 卓矢

シェアビジョン株式会社代表取締役