ものづくり補助金を申請する際に、事業計画において事業分野に応じて関連性を示す必要があり、審査における重要な項目です。この記事ではそのうちのものづくり高度化指針「表面処理に係る技術」について説明します。「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」とは
「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針(ものづくり高度化指針)」とは、製造業における特定ものづくり基盤技術の観点から、研究開発に取り組む中小企業が参考とできるように今後社会で求められる技術の方向性及び具体的な開発手法の情報について明示されたものです。
これは12分野あり、製造業の場合はこの12分野のうちいずれかに該当します。事業計画では各項目で示された課題やニーズ、高度化目標に対応した事業であると説明する必要があります。
「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」 特定ものづくり基盤技術 12分野 |
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①デザイン開発に係る技術 | ⑦表面処理に係る技術 |
②情報処理に係る技術 | ⑧機械制御に係る技術 |
③精密加工に係る技術 | ⑨複合・新機能材料に係る技術 |
④製造環境に係る技術 | ⑩材料製造プロセスに係る技術 |
⑤接合・実装に係る技術 | ⑪バイオに係る技術 |
⑥立体造形に係る技術 | ⑫測定計測に係る技術 |
表面処理に係る技術とは、バルク(単独組織の部素材)では持ち得ない機能性を基材に付加するための機能性界面・被覆膜形成技術です。
溶融した金属、セラミックス等の材料を基材表面に吹き付けること又は堆積させること、塗料等を基材表面に塗布し硬化させること、金属を溶かした水溶液中に浸せきさせること、金属を電解液中にて電気分解すること、酸化還元反応により表面に金属を析出又は酸化被覆膜を生成すること等が挙げられ、適用範囲も医療機器、自動車、家庭用電気製品、衣料品、半導体、産業機械、橋梁・構造物等と多岐にわたります。
医療及び環境分野→省エネルギーへの寄与、研究開発
航空宇宙分野→機体の軽量化に寄与する薄膜化、打ち上げ時の耐熱、耐衝撃性、宇宙空間での耐放射線、耐冷温等の当該技術の開発
IoT、AI等の活用による、表面処理に係る技術の高度化やそれに関連した新たなサービスの創出
高機能化
形成プロセスの微細化・精密化
新たな機能の発現
品質安定性・安全性の向上、長寿命化
環境負荷の低減
生産性向上・低コスト化
IoT、AI等によるデータ利活用の推進
当該技術が持つ物理的・化学的な諸特性の向上
形成プロセスの微細化・精密化
感性価値の向上
新たな機能の発現
品質の向上
有害物質等の削減
生産性・効率性の向上
量子技術を支える技術の高度化
サイバーセキュリティを支える技術の高度化
その他、医療、環境、航空宇宙、ロボット、情報通信、自動車等輸送機械、産業機械、住宅・構造物の分野においても課題及びニーズ、高度化目標も明記されています。
ものづくり補助金において、以上の課題や高度化目標に合った取り組みであるのかが問われます。これらを確認して事業計画内に明記するようにしましょう。
ものづくり補助金の事業計画書作成について疑問点がある場合、認定経営革新等支援機関に相談してみてはいかがでしょうか。