事業再構築補助金申請の流れ

2022/01/25
 事業再構築補助金は、申請し採択された以降にも対応すべきことがいくつもあります。今回はそれらを具体的な流れに沿って解説します。

主な流れについて
1)公募
2)申請(電子申請)
3)採択通知
4)交付申請
5)交付決定
6)確定検査(交付額の確定)
7)補助金請求
8)補助金支払い
9)事業化状況報告
となっています。

以下、詳しく解説します。

1)公募
 事業再構築補助金事務局より、公募要領が公表されます。

2)申請(電子申請)
 事業再構築補助金の申請は原則としてオンライン申請のみで、補助金の申請には、GビズIDプライムが必要です。
 また、申請時にはさまざまな書類が必要です(必要書類はこちら(とばす))。申請受付が始まってから慌てて揃えていると期限に間に合わなくなるおそれがあるので、あらかじめ手元に揃えておくと安心です。
 認定支援機関とともに事業計画書を策定し、必要書類を揃えた上で、申請を行いましょう。

ここからは、事業再構築補助金に晴れて採択された場合の流れについて解説します。

3)採択通知
 事業再構築補助金に晴れて採択された場合、採択公表日に、G ビズ ID 及びご担当者のメールアドレスにメールが送信されます。メール本文の電子申請システムにログインの上、採択結果をご確認ください。もしくは事業再構築補助金のポータルサイトにて、ご確認ください。また、採択結果は公表されます。

4)交付申請
 事業再構築補助金に「採択」されたということは、補助金を受領できることが「内定」された段階であり、自動的に受給できるわけではありません。就職活動において会社から「内定」をもらった場合にその後「入社手続」をする必要があるように、補助金に「採択」された場合はその後「交付申請」をする必要があります。
 また、「事業再構築補助金に採択された=事業計画に記載した補助金の全額の交付が確定」ということではありません。採択決定後に交付申請を行うと、事務局がその経費等の内容を補助対象経費として適切なものであるかどうかの精査を行います。事務局の審査の結果、当初申請した補助対象経費が修正・削除され、補助金額が減額される場合もあります。
 言わずもがな、交付申請には締め切りがあり、期限に遅れてしまうと事業の開始が遅れてしまうため、交付申請の時期にも注意が必要です。

―交付申請の期限―
 交付申請後、交付決定を行うまでに通常要すべき標準的な期間は30日程度です。交付申請の期限がいつまでか明確に設けられていませんが、交付申請後、交付決定までは約1ヵ月を要します。

 なお、重要な注意点が1点あります。
事業再構築補助金の場合、交付決定通知が届くまでは、経費の支出または発注などはしてはいけません。採択されたので早速開始したい、ともどかしくなりますが、交付申請が採択されるまでお待ちください。
 ただし、事前着手申請制度が認められており、令和3年2月15日以降の経費は認められます。

5)交付決定
 交付申請後、約1ヵ月で交付決定通知が送付され、交付決定日より、補助事業実施期間に入ります。交付決定通知により、必要設備などの発注が可能になります。
 事業再構築補助金の補助事業実施期間は下記のようになっています。
  通常枠、緊急事態宣言特別枠
     交付決定日~12 か月以内(ただし、採択発表日から14 か月後の日まで)
  卒業枠、グローバルV字回復枠
     交付決定日~14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)
補助事業期間に入ると、中間検査が行われることがあります。
 中間検査とは、事務局担当者が補助事業実施場所を訪問し、書類は管理されているか。無断で変更が行われていないか、など補助事業の進捗状況を確認する場合があります。中間検査の際は、事前に連絡が入ります。
 また、本事業の遂行及び収支の状況について、事務局から要求があったときは、速やかに状況報告書を作成し、事務局に提出しなければなりません。
さらに、補助事業を完了したときは、その日から起算して30日を経過した日又は補助事業実施期間終了日のいずれか早い日までに、補助事業実績報告書を提出しなければなりません。

6)確定検査
 補助事業期間が終了後、実績報告書の内容に基づいて、申請内容どおりに事業が実施され、経費が適正に購入されたか事務局がチェックを行います。なお、必要に応じて、現地調査をすることもあります。
補助対象外経費等が認められた場合等、場合によっては、交付決定された額から減額となることがありますのでご注意ください。

7)交付額決定
 “6)確定検査”をもって最終的な交付額の決定となります。

8)補助金請求
 交付額が決定すると、補助金を請求することができ、補助金が支払われます。このように、補助金は原則後払いとなっていますので、資金繰りに注意が必要です。

9)事業化状況報告
 補助事業の完了日の属する年度(補助事業者の決算年度)の終了後を初回として、以降5年間(合計6回)、1年間の事業化の状況や付加価値額の増加状況等について、事業化状況・知的財産権報告書により報告しなければなりません。
また、補助事業終了後にも、補助金を活用して建設した建物、機械装置等が事業計画で示された目的どおりに活用されているか等の確認を目的として、会計検査院や事務局が実地検査に入る場合があります。この検査の結果、補助金の返還命令等の指示がなされた場合は、必ず、これに従わなければなりません。
なお、自己負担額を超える利益が生じた場合には、収益納付が必要なケースがあります。


以上が事業再構築補助金の流れです。
事前に確認して流れを把握し、余裕をもって対応できるようにしておきましょう。
著者

石原 景太

シェアビジョン株式会社