個人事業主も対象?必要書類も解説

2023/02/21
事業再構築補助金は「中小企業等の挑戦を支援する」とあるように中小企業や中堅企業を主に支援する補助金ですが、法人だけでなく個人事業主でも対象なのでしょうか?その場合の書類は何が必要なのかについてもこの記事で解説します。

事業再構築補助金は個人事業主でも申請可能

結論から言うと、事業再構築補助金は個人事業主も申請対象です。
公募要領に記されている「補助対象者」は、
日本国内に本社を有する中小企業者等及び中堅企業等とします。
とありますが、個人事業主の場合は中小企業者に含まれるため、個人事業主でも事業再構築補助金を利用できます。

「中小企業者とは、資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であること」とあります。
個人事業主にとって資本金の概念はないため、基本的には現在行っている事業の業種とその従業員数以下であることを確認ください。

個人事業主の申請要件

個人事業主であっても、基本要件として以下の要件を満たす必要があります。
特に、売上高減少要件に対し、必要書類が法人と異なります。
(売上減少要件=2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等)

【個人事業主に共通する必要書類】
このうち、③の売上高減少に係る証明書については以下の書類が必要です。

個人事業主が売上高減少に係る証明書に必要な書類

※②、⑤ 白色申告の場合、対象月の月間売上がわかる売上台帳、帳面その他の確定申告の基礎となる書類

注意として、①と④において、確定申告書別表一の控え又は確定申告書第一表には、収受日付の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていることが必要です。

個人事業主の場合、収受日付の押印、または電子申告の日時・受付番号(e-Taxの場合は受診通知)が無い場合は、該当年度分の「納税証明書(その2所得金額用)」(事業所得金額の記載のあるもの)を追加で提出が必要となります。

白色申告の場合、準備も大変に

申告方法が白色申告の場合、売上台帳や帳面などのように、確定申告の基礎となる書類を準備する必要があります。
準備には時間がかかることも想定されるため、希望する申請の公募回に十分余裕を持って申請準備を進めるようにしましょう。

個人事業主の申請における注意点

事業再構築補助金の公式サイト「よくある質問」では、
Q.昨年まで法人だったが、今年から個人事業主となった場合、対象となるか。

A.法人から個人事業主になったことを示す公的書類がないため対象外となります。
そのため、全ての個人事業主が対象とはなりません。
しかし、2020年12月31日までに個人事業主になった場合は、新規開業の特例として申請が可能になります。
新規開業として認められるかご確認ください。

個人事業主でも申請可能!

従業員数や必要書類には注意が必要ですが、個人事業主でも要件に合った事業計画書を策定できれば十分に採択の可能性はあります。
例として、コロナ影響が大きく表れた飲食店では、テイクアウトやEC販売などに進出する事業者も見受けられます。
コロナ禍にも対応で可能かつ、販路拡大に向けた事業計画策定が必要です。

採択に向けて非常に重要な事業計画書は認定支援機関の支援を受けながら策定できます。そのため、事業再構築補助金の申請を検討されている方は、補助金に精通しており支援実績ともに採択率の高い認定支援機関にご相談ください。
著者

富永 善久

シェアビジョン株式会社