中小企業等事業再構築促進事業とは?

2021/12/23

概要

中小企業等事業再構築促進事業とは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものの、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援するべく、経済産業省中小企業庁が補助金(事業再構築補助金)の交付を行う事業です。中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

1.主要な申請要件 

主な申請要件は以下の通りです。 (1) 売上が減っている
(2)事業再構築に取り組む 事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う中小企業等。 (3) 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する 
※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいう。 
※詳しくは公募要領をご参照ください。 

2.予算額、補助額、補助率 

2-1 通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠予算は、令和2年度第3次補正予算で、1兆1,485億円が計上されています。通常枠のほか、卒業枠とグローバルV字回復枠があり、それぞれの補助額・補助率は下表の通りです。 
※卒業枠とは、400社限定であり、事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業者等 から中堅・大企業等へ成長する中小企業向けの特別枠です。  ※グローバルV字回復枠とは 100社限定であり、売上高が15%以上減少しており、グローバル展開を果たす事業を通じて、付加価値額年率5.0%以上増加を達成することを通じてV字 回復を果たす事業者向けの特別枠です。 なお、卒業枠・グローバルV字回復枠が不採択の場合は、それぞれ「通常枠」で再審査されます(「通常枠」の補助額の範囲内)。 2-2 緊急事態宣言特別枠 令和3年の緊急事態宣言により深刻な影響を受けた中小企業等については、「緊急事態宣言特別枠」を設け、補助率が引き上げられます。 
通常枠の申請要件を満たし、かつ緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1月~9月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少している事業者が該当します。 
※売上高に代えて、付加価値額を用いることも可能です。 
※詳しくは公募要領をご参照ください。 

3.補助対象経費 

補助対象経費は、以下のとおりで、本事業の対象として明確に区分できる必要があります。 3-1 補助対象経費の例 
3-2 補助対象外の経費の例 

4.事業計画の策定  

補助金の審査は、事業計画書を基に行われます。採択されるためには、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要とされています。 
また事業計画は、後述する認定経営革新等支援機関と相談しつつ策定する必要があります。 
事業計画に含めるべきポイントは、 
などとなっています。 

5.補助金支払いまでのプロセス 

補助金申請を行い、採択決定以降、補助金が支払われるまでのプロセスは以下のとおりです。補助金は、事業者による支出を確認した後に支払われます。概算払制度を設けますが、 補助金交付要綱等に基づき、使途はしっかりと確認されます。  また、事業計画は、補助事業終了後5年間の経営状況等について、年次報告が必要です。補助金で購入した設備等は、厳格に管理されることとなります。 
著者

澤野井 孝紘

シェアビジョン株式会社