事業再構築補助金12回公募の採択結果発表&13回公募はある?気になる質問まとめ

2024/11/13
【この記事のポイント】

事業再構築補助金12回公募の申請件数・採択率

2024年7月26日に応募が締め切られ、10月下旬~11月上旬が採択発表予定とされていた事業再構築補助金12回公募の採択結果が、11月9日に発表されました。

今回は、7,664件の応募に対し、2,031件の採択となり、全体の採択率は26.50%となりました。

申請事業者の主たる業種別の応募・採択件数割合を見ると、応募者、採択者とも製造業、卸売業・小売業、建設業の順に多くなっています。その中でも採択件数割合では、27.0%の応募件数割合に対して採択件数割合は43.6%と特に製造業が多くなっています。
≪参考≫事業再構築補助金 第12回公募の概要について

事業再構築補助金の採択率推移

事業再構築補助金は、コロナ禍で売上が落ち込んだ中小企業に業態転換や新事業への進出を促すため、2兆4,000億円の予算を確保して2021年3月に開始しました。1者あたりの補助金が数千万円ともなる大規模な支援内容で、これまで11回の公募で約8万者が採択されてきました。

これまでの応募件数、採択率等の推移は以下のようになっています。
事業再構築補助金公募回毎の応募件数・採択率の推移
第1回から第10回公募までの採択率は、約50%前後で推移していたことを考えると、審査が非常に厳格化した第11回公募から引き続き、第12回公募も厳しい審査が実施されたことがうかがえます。

特に、12回公募は審査項目や加点項目が大幅に改訂されました。事業計画書の審査項目としては、事業計画の有望度が高く参入可能な事業であるのか、事業の実現可能性は高いのか、公的補助の必要があるのかなどの観点から審査内容が厳格化しました。
また、加点は取得数によって、採択に向けて有利に審査を進められるようになります。12回公募では、「加点を受けて採択したにも関わらず満たせなかった場合は、中小企業庁が所轄する以下補助金で大幅減点する」と明記されたこともあり、大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点などの申請に対してリスクと伴うようになりました。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、サービス等生産性向上IT導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)、事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助事業
新型コロナがビジネスに与える影響も少なくなってきており、令和5年度補正予算では中小企業等事業再構築促進基金を用いて実施してきた事業再構築の支援については「必要な見直しを行う」とされました。
13回公募については、省力化投資補助金に予算が再編されたことや国庫に返還される可能性もあることからも、公募が行われるかは未定となっています。
11月~12月に公表される令和6年度補正予算の発表を待ちましょう。

次回公募があるかないかは明言できませんが、以下、第12回の公募要領に基づいて、気になる質問をまとめました。第13回公募が実施された際の参考になれば幸いです。

事業再構築補助金、気になる質問 Q&A まとめ

事業再構築補助金、第13回公募はある?
事業再構築補助金の次回公募については発表されておらず、現時点では不明です。予算の消化状況からは、もう一回公募があるのではないかと推察できますが、明言できません。もし、次の公募があるとすれば、年内には何らかの発表があると思われます。

事業再構築補助金、何回まで申請できる?
基本的に、補助金を受け取れるのは1回のみです。ただし第12回公募では、過去採択企業でも成長分野進出枠(GX進出類型)とサプライチェーン強靭化枠は、要件を満たせば申請が可能でした。

事業再構築補助金、ものづくり補助金を受け取っていても申請できる?
ものづくり補助金を申請して採択された事業者が、事業再構築補助金にも申請することは可能です。ただし、ものづくり補助金での導入設備と同じ設備を補助対象とすることはできません。ものづくり補助金とは別の取り組みとして事業計画をすることが必要です。

過去に申請して不採択だった場合、再申請は可能?
事業再構築補助金は、一度申請して不採択になっても、再申請することができます。第11回公募より、不採択企業は申請画面に審査員の所見、コメントが表示されています。そちらを踏まえて事業計画書をブラッシュアップすることで、採択の可能性が高まります。

事業再構築補助金、事前着手申請できる?
第12回公募では、事前着手制度は原則廃止されました。第12回公募では要件を満たした一部のみ事前着手が可能でしたが、次回公募からは例外なく事前着手は不可となると予想されます。

事業再構築補助金、個人事業主でも申請できる?
事業再構築補助金は、日本国内に本社を有する中小企業等や中堅企業等が対象となっています。これには個人事業主も含まれ、収益事業を行っていることを説明するため、確定申告書の控えを提出します。

老朽化した設備を新しくするのに、事業再構築補助金を使える?
老朽化した設備の入れ替えで、事業再構築補助金は活用できません。過去に製造した実績がない、既存事業と新規事業の顧客層が異なるといった、製品や市場の「新規性」を満たす取り組みでなければ、「事業再構築」とみなされないため、審査の対象外となります。

事業再構築補助金、採択後の流れは?
まずは交付申請を行います。事務局からの修正依頼には、速やかに対応しましょう。交付決定が下りたら、設備を発注します。設備が導入されたら実績報告を行います。実績報告後、交付額が決定し、補助金が支払われます。その後も5年間は事業化状況報告が必要です。

事業再構築補助金を受け取った後、報告義務はある?
事業再構築補助金は、採択後、交付申請、交付決定、事業の実施を経て、実績報告、補助金請求手続き後に補助金が入金されます。補助金を受け取った後も、5年間は事業化状況報告の義務があります。報告を行わないと補助金返還等が求められます。

シェアビジョンでは、補助金採択後のサポートサービスも行っています。補助金採択後の手続きに不安がある事業者の方は、一度、ご相談ください。

≪参考≫シェアビジョン補助金採択後のサポートサービス

まとめ

事業再構築補助金は、「令和5年度秋のレビュー」にて、有識者から抜本的な見直しが求められ、支援枠の集約や事前着手制度の廃止、AIを活用した審査の厳格化等、さまざまな変更を経て第12回公募が実施されました。

その結果、事業再構築補助金第12回公募の採択率は26.50%と、第11回公募の26.47%と同様、厳しい採択率となりました。

次の公募があるかどうかは分かりませんが、あったとしても厳しい採択率になることが予想されます。事業計画にはこれまで以上の説得力と実現性が求められるでしょう。設備投資の内容によっては、ものづくり補助金、カタログ型の省力化投資補助金、IT導入補助金、省エネ補助金等、他の補助金を活用することも選択肢でしょう。

補助金を活用した設備導入をお考えの事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

著者

事業再構築補助金編集部